スズキ「スイフト」に本格的なハイブリッドモデルが登場。燃費は32km/Lにまで向上

2020-05-27

スズキの人気コンパクトハッチバックモデル「スイフト」に、待望のハイブリッドモデルがラインナップ。
これまでは、最高出力が若干低めに設定されていたマイルドハイブリッドがラインナップされていましたが、新たにハイブリッド”SG”と”SL”が登場したことによりラインナップを拡充。

ちなみに、これまでのマイルドハイブリッドモデルのカタログ燃費は25.4km/L~27.4km/Lと十分な低燃費を記録していましたが、通常のハイブリッドモデルにおいては32.0km/Lと、トヨタの新型「カムリ」に近づく低燃費をマークしていますね。


なお、今回のハイブリッドモデルにおいて、上位グレードの「SL」では、スポーツパドルシフトやSRSカーテンエアバッグ、フロントシートSRSサイドエアバッグ、デュアルセンサーブレーキサポート等の安全機能を標準装備。

更には、タコメータ内のモータパワーメータの追加や、ブルーイルミネーションメータ、シフトノブのブルー加飾、クロームメッキが加飾されたフロントグリルもハイブリッドモデルの特徴となります。

なお、「スイフト・ハイブリッド」のパワートレインは、排気量1.2L 直列4気筒エンジン+モータを搭載し、最高出力91ps、最大トルク118Nmと、マイルドハイブリッドモデルと同様となります。
価格としては、”SG”が約167万円、”SL”が約195万となっています。

Reference:AUTOCAR

関連記事:スズキの2017年モデル新型「スイフト」に試乗。間違いなくスポーツしてるコンパクトハッチだ

本日、予てより試乗検討してた2017年モデルのスズキの新型「スイフト」に試乗。
未だ発売未定のスポーツタイプ「スイフト・スポーツ」ではないものの、まずは通常モデルとなる「スイフト」がどの程度のポテンシャルを持っているのか、どういった点に注力を入れているのか等を確認するためにインプレッションさせていただきました。

【外観インプレ】

今回試乗させていただいた個体は「スイフト・HYBRID RS」という上位モデルで、いわゆるハイブリッド・スポーツモデルとなりますね。

ボディカラーは”ピュアホワイトパール”と、膨張色ではありますが意外と引き締まっているようにも見えます。

フルモデルチェンジ前の「スイフト」に比べて、やはりフロントフェイスは大きく変更されており、ヘキサゴン形状のシングルフレームグリルと中央にはレッドカラーのセンターガーニッシュのアクセントが加えられ、マツダ「デミオ」のディーゼルモデルをイメージさせるデザインとなっていますね。

ライトも非常に奥行きのある形状に変化し、シームレス・デイライトも採用されています。
ライトは単眼のLEDヘッドライトに、その周りをアルミフレームで囲ったアウディのようなお洒落なデザインになっていますね。

オプションとしては、セーフティパッケージ(DSBS)&全方位モニタ付ナビが標準装備されており、先進的な安全装備が充実しているのは非常に助かるところではありますね。

上にも記載した通り、フロントマスクは大きく変化した一方、このモデル特有のものとして、それは「かなり車高が低い」ということ。
この個体のモデルは「HYBRID RS」の前輪駆動(FF)となるわけですが、前輪駆動モデル全ての最低地上高が120mmで、フルタイムAWDの145mmよりも25mm低い仕様となっています。
これはかなり思い切った仕様であり、恐らく国産車のコンパクトモデルでここまで”低く”設計されたモデルは無いのではないか?と思うぐらいにとにかく低いわけです。

もちろん、これにはちゃんとした理由があって、フロントドアの開き幅を広く、開口高を高めに設定し、リヤドアの開口地上高を低めにかつ開口高を高めに設定することで乗り降りをしやすくすることができるため。
この辺りはかなりの工夫が施されているとは思いますが、正直、乗り降りというファクタよりも、段差やちょっと坂での走行という点ではかなり気を使って走る必要があるため、ある意味ターゲットを限定させたモデルではないかとも考えますね。

フロントのアンダースポイラーもかなりアグレッシブなデザインとなっているため、よりワイド&ローで低い印象を強く見せていますね。

サイドを見ていくと、車体はコンパクトハッチといった印象で、リヤドアはCピラーのデザインと一体化したスポーティなピラーマウントドアハンドルを採用することで、2ドアクーペのようなスタイリッシュな演出をしていますね。

ホイールベースは、2,450mmとコンパクトハッチにしては”意外”にも長く、しかし最小回転半径は4.8mと非常に小回りが利くので狭い路地や駐車場などでは取り回しがしやすくなっています。

ちなみにホイールは、季節の関係上スタッドレスタイヤを装着しているため、RS専用ホイールではありません。標準のRS専用ホイールは16インチアルミホイール(切削加工&ブラック塗装)となっていますね。

内装は、シルバーステッチのRS専用ファブリックシート表皮で、基本的にシート材質及びカラーはこの一択となりますね。

シフト周りもRS専用のシルバーコンソールオーナメントになっており、ちょっとした高級感を演出していますね。

【主要諸元・スペック】
・排気量1.2L 水冷4サイクル直列4気筒エンジン
・最高出力:91ps、最大トルク:118Nm
・全長/全幅/全高:3,840mm/1,695mm/1,500mm
・ホイールベース:2,450mm
・最低地上高:120mm
・最小回転半径:4.8m
・車両総重量:910kg
・燃費:27.4km/L

上述にもあります通り、サイズ感は非常にコンパクトでありながらも、やはり最低地上高が120mmとかなり低いことから、段差や坂などでの走行はかなり気を遣うところ。
また、前輪駆動(FF)モデルでは車両総重量が910kgとギリギリまで絞ってきており、この辺りもボディやフレーム等の改良を重ねて、最大限の軽量化が施された一台になっているのだと考えますね。フルタイムAWDモデルでも車両総重量970kgのため、5ナンバーハッチでここまで軽い四駆もかなり珍しいのではないかと思いますね。

【試乗インプレ】
さて、早速「スイフト」に乗り込みますが、かなりコンパクトでありながらドア開口部が広いため非常に乗り込みしやすい印象。サイドシルの厚みがそこまで無いため下手に姿勢を崩して乗り降りするといった懸念は無さそうに感じますね。

早速「スイフト」のエンジンをかけてみます。
キーはもちろんスマートキーで、ブレーキを強く踏みながら、ステアリング右下にあるエンジンスタートスイッチでエンジン始動です。エンジン音は非常に静かで、エンジンの振動がシートに伝わってくるといった印象は無いように感じられますね。

早速スズキディーラを後にしますが、いきなり段差に注意しながら国道に入っていきます。
この辺りは段差から降りるときは車体を斜めにしながらでないとどう考えても擦ってしまいますね。

国道に入り、早速アクセルを踏み込んでいくとCVT特有の変速の無いスムーズな加速によりあっという間に周りとのスピードに合わせた速度まで達することができます。
もちろん、速度を上げていけばその分パワーやトルクも必要になるので、回転数を上げるたびにエンジン音も大きくなるものの、意外にも118Nmものトルクがある「スイフト」はそういったパワー不足は感じられず走行時のストレスは無いように感じますね。

ハンドリング操作においては、ステアリングはかなり軽く、前輪駆動でありながらも加速しながらカーブに差し掛かるときの切れ味も抜群ですね。
カーブに進入するときには、ステアリング後ろにあるパドルシフトによってマニュアル感覚でシフトダウンできるので、ナチュラルな減速→フットブレーキ無しでカーブへ進入→パドルシフトでアップ→アクセルべた踏みで加速…とかなり楽しい操作ができます。

車体も非常に軽く、ホイールベースも長いので、高速領域に入ってのグリップ力が高くハンドリング操作も安定しているので、路面が若干ウェットになっていても、意外とスンナリ操作できる個体なのではないかと思いますね。

乗り心地については、やはりサスペンションはかなり固め。
欧州チューニングのショックアブソーバーは減衰力を固めに設定しているとのことで、ボディコントロール性はかなり高められていますが、若干の突き上げ感があったりとこの辺りは、マイルドな乗り心地を理想とするユーザーと好みは分かれるのではないかと思いますね。

【価格について】
基本的にメーカオプションがほぼ装備されている「スイフト・HYBRID RS」の車両本体価格は約178万円となりますが、安全性能が充実していて、おまけにスポーティな走りが実感できる個体としてはかなり割安な印象ですね。

【総括】
以上より、スズキの新型「スイフト」は、見た目からアグレッシブな印象を受け、非常にコンパクト且つワイド&ローのスポーティ仕様であることから、走行性においても非常に安定した走りとクイックに「曲がる」、「止まる」、「加速する」のメリハリをしっかりと付けた個体であり、安全性能も充実のコスパの良いスポーツハッチと言えますね。