マクラーレン「F1」専用のサービスセンターが開設。なお開設場所はオーナーのプライバシー確保のため非公開

2020-05-26

以前、マクラーレンのハイパフォーマンスモデル「F1」専用のスペアパーツを販売するため、マクラーレンMSO(McLaren Special Operations)によるパーツ販売と直々のメンテナンスを行う事業がスタートしたわけですが、今回ようやく「F1」専門サービスセンターが開設。
但し、「F1」製造に運営・関与していたマクラーレン・フィラデルフィアのサービスセンターは、アメリカ・ペンシルバニア州を拠点していたわけですが、”オーナーへの裁量とプライバシーを確保するため”に具体的な場所は(アメリカにて開設されていること以外は)敢えて非公開にしているとのこと(現在の「F1」の市場価値は10億円を超えることもあり、取り扱いは特に厳重にする必要があると推測)。

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マクラーレンMSOが準備するスペアパーツでは、従来のBMW製V型12気筒エンジンやアップグレード版のエンジン、キセノンヘッドライト、LM由来のチタンスポーツエキゾースト、カーボンファイバー(モノコック含む)オリジナルツールも備えられており、消耗品となる様々なパーツを持ち、これらのパーツで作業を実施するメカニックは、MSOによって教授され特別な訓練を受けた者だけが行えるとのことで、基本的なメンテナンスはもちろんのこと、システムのフルリフレッシュや更なる大規模な改修も可能としており、約20年前の「F1」を常に最高のパフォーマンスにて走行することを保証。

「F1」は、従来のスーパーカーや大衆車と異なり、フルード関係やフィルタ、ワイパーブレードの交換、フルサスペンションの点検等、一つ一つに細心の注意を払う必要があり、更にはサービスが完了した後はテストトラック又は滑走路にてアッシーしたパーツに異常が無いかを細かくチェックするため、たった一つのパーツを交換するだけでも相当な時間と労力を使うこととなります。

なお、今回のマクラーレンが行った「F1」専門のサービスセンター開設について、マクラーレン北米のトニー・ジョセフ氏は「20年近く前のモデル専用のサービスセンターを開設するのは苦労しただろう。しかし、「F1」の修理は迅速なプロセスではなく、北米の所有者にとっては、実際のサービスに要する時間とイギリスから輸送する時間はほぼ一緒になるかもしれない。そうなると、イギリスから輸送するオーナーにとってはトータルコストがバカにならない。オーナーを最優先に考えるのであれば、輸送時間を短縮するために北米以外にも施設を提供することが大事だ」とコメント。

マクラーレンMSOは、今後「F1」の専門サービスの拡大ないしは各種ディーラでの取扱いを実施していくかは不明ではあるも、確かに同車の維持はとんでもないコストがかかりますし、メンテナンス費用は私たちが想像するよりもはるかに高額であることは承知していますが、やはりそれ以上にメンテナンスを実施する”時間”というファクタはどうしても掛かってしまう部分ではあるため、そういったタイムロスを少なくする為の配慮というのは重要になってくるのかもしれません。

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Reference:CARSCOOPS