失われた25台が生産へ。ジャガー幻の「Dタイプ」がル・マン仕様で62年ぶりに復活【動画有】

2020-05-26

1956年を最後に製造された、ジャガーのレーシングモデル「Dタイプ」が、今回62年ぶりに25台だけ製造されることがわかりました。
なぜ25台だけ製造されるかというと、最後にロールアウトした62年前に、元々100台生産されるはずだった「Dタイプ」が、シャシー・ナンバーの調べから75台しか製造されていないことが発覚。そのため、今回25台の製造に取り掛かることとなりました。
今回、製造される残りの25台は、当時のコヴェントリーの工場にて、全く同じ設計図を基に生産されることとなっています。


ル・マン24時間耐久レースにて1955年から1957年に3度の優勝を果たした「Dタイプ」は、6気筒のXKエンジンを搭載。
2018年から顧客向けに製造される個体も、ル・マン仕様となっており、更には1955年モデルのショートノーズタイプと1956年式のロングノーズの何れかから選択することも可能となっています。

ジャガー・ランドローバークラシックディレクターのTim Hanning氏は「ジャガー・Dタイプは、世界で最も激しいモーターレースで卓越した記録を残し、最も象徴的で美しい競技車両の一つでもあります。当時と同じコヴェントリーの地で生産することで、失われた残りの25台の生産を完了することは、私がその計画を達成するためのチャンスとなります。この個体は、ジャガー・ランドローバー・クラシックの世界クラスの専門家たちしか実現できない夢の車です」とコメント。

なお、最初の1台目の個体は技術検証用のプロトタイプモデルとして扱われるとのことで、パリにて開催予定のサロン・レトロモビルにて世界公開されます。
価格については、いまのところ全く未定ではありますが、現在の「Dタイプ」の中古車市場価値は優に1億円を超えるため、恐らく今回のモデルも億超えとなることは間違いなさそうですね。

Reference:Zero2Turbo

オークション価格は数十億にも上る「Dタイプ」
関連記事:予想落札は26億円。元F1ドライバ所有の幻のジャガー「Dタイプ」がオークションに登場(2018/1/6投稿)


イギリスより、僅か24台しか製造されていない幻のレーシングカー・ジャガー「Dタイプ」がオークションに登場。
この個体は、1954年~1957年の3年間販売された「Cタイプ」の後継モデルで、基本的なメカニズムは「Cタイプ」を発展させたものとなり、スペックを引伸ばした改良モデルといったところ。
そんな「Dタイプ」は今回、シャシーナンバー#518にて登録された個体として出品されており、ボディカラーとしてはレッドカラーにて身を纏っていますが、このボディカラーを持つ「Dタイプ」は僅か2台のみ。
製造年月日としては1955年12月で、マンチェスターのジャガー&ローバーディーラのHenlysに送られ、この個体を購入したオーナーは何と、イギリスの実業家(総資産は3,500億円以上)で、元F1ドライバでもあるバーニー・エクレストン氏。

バーニー・エクレストン氏は、後に次なるレーシングドライバであるピーター・ブロンド氏に「Dタイプ」を売却し、彼の事務所にて2008年まで保管されることに。
その後は次のオーナーへと引き継がれたわけですが、走行自体は全く行われていない”未走行モデル”となります。

パワートレインとしては、排気量3.4L 直列6気筒自然吸気エンジンを搭載し、初期モデルから最高出力250hp→270hpまで向上され、最大トルクは328Nmを発揮、最高時速は260km/hにまで到達し、エンジンヘッドや吸排気マニホールドも変更済みとなっています。
エンジンはドライサンプ化されていて、車体重心を下げることで走行性能を向上させています。

ボディーはオールアルミとなっており、中心部はカーボンモノコックを使用。
技術としては「Cタイプ」よりも大幅に向上しているも、車体重量は全く変化無しの1,016kgを実現。

ハンドルはやはりイギリス仕様ということもあって右ハンドル。
シートはダークローズカラーのフルレザーを採用しています。
なお、この個体の予想落札価格は約26億円と驚異的な数値を誇るも、過去これまでに落札された最高額はアストンマーティン「DBR1」で約27億円となっていますが、もしかすると「Dタイプ」がこの記録を打ち破る可能性があるかもしれません。