一時話題となったスズキ・ジムニーシエラのピックアップトラック。どうやら需要が無く市販化されないことが判明

ニュージーランドにて大きな話題となったジムニートラックだが…

2020年にニュージーランドのスズキ正規ディーラーが、乗用車モデルとなるジムニーシエラ(Suzuki Jimny Sierra)をベースに、軽トラ(厳密にはピックアップトラック)仕様に改造したモデルを公開し、大きな話題となりました。

実はこのモデル、グローバルモデルとしても市販化されるのでは?との噂が浮上しましたが、スズキ公式がこれを正式に否定しました。

オーストラリアカーメディアDriveの報道によると、2025年10月末に開催されたジャパンモビリティショー2025にて、スズキの新型ジムニーノマドの担当チーフエンジニアである佐々木貴光 氏に取材。

その結果、佐々木 氏からは「需要があまり無いので、スズキとしても生産予定は無いのです」とコメントしたそうです。


スズキ「ジムニートラックともなると、耐久性の高いものを作らなければならない」

ちなみにこちらが、スズキのニュージーランド正規ディーラーにて販売されたジムニートラック。

あくまでもニュージーランドの正規ディーラーが独自に改造(架装)して販売したモデルになるため、メーカー公式ではないので注意。

同国では、ジムニートラックの需要は高いものの、製造台数に限りがあるために即受注停止になったとのこと。

それだけ需要の高いモデルともなると、グローバルモデルとしての市販化も期待できるのでは?と思われる方もいらっしゃると思うのですが、どうやら佐々木氏は「ジムニートラックを作るとなると、非常に耐久性の高いものを作らなければなりませんので、非常に困難です」と回答。

加えて同氏は、「後ろ側に大きな重量をかけるためには、フレームをより頑丈にする必要があります」と語り、現在のジムニーに採用されているラダーフレーム構造では、物理的に難しいのだそう。

スズキは東京オートサロン2019にて、ジムニートラックのコンセプトカーを発表している

ちなみにスズキは、2019年に開催された東京オートサロンにて、ジムニートラックのコンセプトカーを出展していましたが、これも元々市販化予定は無かったとのことで、あくまでもジムニーの可能性を模索するためのコンセプトモデルなのだそう。

上のYouTube動画でも確認できる通り、2ドアタイプにリフトアップされた車高、ラギッドな無塗装バンパー、オールテレインタイヤ、”SIERRA”の巨大デカールを貼付した、個性あふれるモデルに仕上げられています。

ちなみに、佐々木 氏が「ラダーフレームシャーシでは荷重を扱えない」という指摘は事実で、3ドアと5ドアジムニーの最大積載量はわずか340kgと少なく、乗員の体重も考慮すると非現実的。

こうした状況のなか、Driveは佐々木 氏に対して「より強力なジムニーが実現する可能性はあるのか?」という質問に対して、現在のモデルでは、パフォーマンスや”より強力なエンジン”を無理やり導入することは不可能とのことで、今ある既存モデルのジムニー/ジムニーシエラ/ジムニーノマドに留まることになりそうです。

一体どのように市販化できたのかは不明だが、ニュージーランドのジムニートラックを見ていこう

改めてこちらが、2020年にニュージーランドの正規スズキディーラーにて発表・発売されたジムニーシエラ・トラック。

Bピラーよりもリアセクションのところは、完全にブッた切った状態で、更には後席も排除してトラック用の荷室スペースを設けるというダイナミックな改造となっています。

足元のブラックペイント処理されたスチールホイールやハロゲン式のフロントヘッドライトを見る限りではエントリーモデルだと思われますが、もちろんLEDヘッドライトやアルミホイールを装着した上位グレードもカスタムの対象になっているとのこと。

まだまだ課題の残るカスタムモデルではあるものの、コアなファンからの支持は高そう

サイドのスタイリングはこんな感じ。

リヤの荷室部分に関してはジムニーシエラと同色ではないため、ちょっと不格好に見えるのが残念なところ。

もちろん、ジムニーシエラにはホワイト系のボディカラーもラインナップされているので、荷室部分と同色に近いようにすることは可能。

リヤデザインはこんな感じ。

真後ろから見たら完全にトラック仕様だと思いますが、リヤテールランプはそのままジムニーシエラのユニットを上手く移植。

軽トラよりも実用性はかなり高そうですし、引っ越しの際には大量の荷物を載せることもできて頻繁的に活用できるかもしれませんね。

インテリアはこんな感じ。

フロントは従来モデルと特に変わらずで、道具感満載であることは確か。

ニュージーランドといえど、右ハンドル仕様なので日本に逆輸入しても”海外仕様”であることはわからなそう。

そしてこちらが運転席と助手席。

後ろのパーティションのおかげで、シートを倒すことができない窮屈さはトラックならではだと思います。

車中泊や仮眠をとるのは難しいですが、近場の移動用であれば問題なく活用できそう。

シート材質はもちろん撥水性のファブリックを採用。

田んぼ作業でもこういったモデルは活用できると思いますし、防汚対策もある程度施されているので、若者からお年寄りも幅広く愛されそうな一台に仕上がっています。

気になるその価格帯とカスタム費用は?

こちらはオーディオ関係。

ナビゲーションディスプレイではなく、敢えてラジオ・オーディオにしてくる辺りも、軽トラっぽい雰囲気を更に強めていて好印象。

もちろん実用性も高めるためにBluetoothも標準装備となっています。

パワートレインについては、排気量1.5L 直列4気筒エンジンを搭載し、最高出力100hp/最大トルク138Nmを発揮。

気になる価格帯についてですが、素のジムニーシエラの価格帯が日本円で約168万円からとなり、ピックアップトラック仕様のカスタム費用が約78万円からとなっています。

したがって、カスタム含めて車両本体価格は約246万円からとなるため、オプション等も含めたら260万円~280万円ほどになるのではないかと思われます。

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