まさかのオープンモデル?トロン&バットモービル仕様のランボルギーニ「カウンタック」のレプリカが登場。その気になる中身は何?【動画有】

2020-05-27

~意外とオープン仕様の「カウンタック」は初めてかもしれない~

海外の掲示板サイトRedditにて、何とも過激な?ランボルギーニ「カウンタック(Lamborghini Countach)」と思われる個体が目撃に。
実はこの個体、本物の「カウンタック」ではなく、ポンティアック「フィエロ(Pontiac Fiero)」をベースにしたレプリカモデルだそうで、グラスファイバーのフルボディキットを装着し、ブラックのボディカラーをベースにオレンジのアクセントカラーを追加することで、トロン&バットモービル風の過激なデザインへと進化。

フロントヘッドライト周りや、リトラクタブルヘッドライト(格納式ではなく外付けでオープンしたまま)も装備され、「カウンタック」の特徴をここぞとばかりに取り入れているものの、それ以上にトップルーフがオープン仕様になっているのも凄いですね。

リヤデザインはこんな感じ。
何とドアオープンは上に開くタイプのシザードアを採用しているんですね。
このあたりの拘りも凄いこと…

そして外側に大きく張り出したオーバーフェンダーも過激で、足元のワイヤアルミホイールがかなり内側に入り込んでいるところも中々にユニーク。

固定式リヤウィングは空力特性を向上させたものなのかはわからないものの、姿かたちを再現しているだけでも十分クールかもしれません。


~きっかけは一つの映画からだった。「カウンタック」を17年間製作し続けた男性が登場~

自宅地下にて、スーパーカーブームの火付け役となった「カウンタック」を完全にゼロの状態から自分で作り続けた男性が登場。
彼の名はKen Imhoff氏という人物で、映画「キャノンボール(Cannonball Run)」と呼ばれる映画に登場したランボルギーニ「カウンタック(Countach)」に一目惚れし、このモデルを作ってやろうと決意。

ランボルギーニを製造する上での設計知識やノウハウ等は何もなかった(当時は確立された生産ライン等も無かった)ものの、Ken Imhoff氏は元々自動車(スーパーカーの経験は無し)の設計から製造までの一連の流れを経験しているエンジニアでもあったため、この辺りは長年の技術と経験、そしてセンスや勘を頼りに地道に作り上げることにしました。

製作スタート時からいきなり度肝抜かれる

彼がまず手掛けていったのは、プラットフォームや骨組みとなる部分からのスタートとなり、そのベースとなる素材が「木型」。
今となってはほとんど使用することのない木型ベースの骨組みですが、ココから「カウンタック」のメカメカしいボディパネルを組付けていく工程に入ります。

ただ、こうした製造工程はあまりにも非効率的で時間と労力を大きく消費する部分でもあったため、このレプリカモデルを製造するにあたり、大きく時間をロスしてしまったところでもあったようです。
しかしながら、確実な製造方法もノウハウもない中で、最適なクリアランスを設けての設計技術力と、それを見事形にするための生産能力はKen Imhoff氏の高いスキルでもあり、仮に17年という長い時間がかかったとしても、ここまで上手くまとめ上げてしまうことは並大抵の努力では不可能だと思いますね。

エンジンはV12ではなくV8。もちろんこれには大きな理由が

木型を使っての外観づくりが完了したら、その後はスチール製スペースボディフレームやミドシップエンジンを搭載しています。
ちなみに、ここに搭載されているエンジンはV型12気筒ではなくV型8気筒エンジンを搭載していて、彼曰く最適な前後重量配分を実現できるエンジンがV8だったということで、このあたりの細かくも抜かりのない設計思想は、もはや「カウンタック」の技術を上回るレベルになっているのでは?と思ったり…とにかくこの人物はただものではありません。

なおそれ以外においては、トランスミッションはZF 5速、リヤエキゾーストマフラはレーシング仕様となり、サイレンサ等も一切備えていない直管タイプとなるため、かなりの爆音を奏でるそうです。

一切の抜かりの無いハンドメイド。ホイールも完全オリジナルでたった一台しか存在しない「カウンタック

ボディは完全ハンドメイドのアルミを使用し、軽量化と耐寿命性を強化。
今となったらかなりコストがかかるところでしょうね。

おいおいマジか。
アルミホイールもまさかの完全オリジナル製で、さすがに加工は業者に依頼したそうですが、ホイールの設計は彼が行ったとのこと。

ボディパネルもしっかりと装着され、ほぼほぼ完成に近づいてきました。
なお、ボディの塗装はさすがに地下室で行うのは問題だったため、外で地道にスプレー作業を行っていたのですが、周囲からの視線も相当に冷たかったようです。
ちなみに、シートはMOMO製のレーシングバケットタイプ。ゴリゴリのレーシング仕様となるため、足回りも相当に硬く設定しているとのこと。

リヤには、ファイティングブル(闘牛)のデザインが施された大型リヤウィングを装着。
これも彼のセンスによって編み出されたもの。もう純正に取り入れた方が良いんじゃない?
エンジンも完全にむき出しで、いかにも時代を感じさせるクラシックスーパーカーといった感じ。

よし、ついにこれで完成!
あとは外でテスト走行だ!

完全なる誤算。クルマを地下から抜け出せない!

そう、実はこのレプリカの「カウンタック」。
あまりにもつくることに没頭しすぎて、自宅地下から地上に取り出すことが出来なくなったため、急きょ工事業者に依頼して地下室まで土を一気に掘り起こすことに。
後先を考えなかったが故の一番の失敗ですが、これも彼らしいですね。

折角の男のロマンが詰まった地下室ですが、「カウンタック」を地上へと解放しない限りは何も始まりません。

あまりにも車高が低すぎる車ですし、なによりも完成したばかりの車両を汚したり傷つけることはできないため、慎重な作業で移動させます。

遂にレプリカ「カウンタック」降臨。このあとこの個体はどうなった?

これでようやく「カウンタック」が地上に降り立ちました。
ボディカラーは今でいうところのグリジオ・リンクスのようなグレー系に近い激渋カラーですが、これまでの「カウンタック」には無かった色味なだけに、かなり新鮮でもありますね。

なお、この個体に掛けた製作費用は約7,350万円ですが、折角作り上げた個体を売りに出すことを決意。
実際に販売された価格は約1億円とそこまでのプレミア価値は付いていないようですが、よくよく考えたらレプリカの「カウンタック」に一億円を支払うって結構なことですよね。

それにしても…たった一つの映画を見ただけで、自分の人生の内の17年間を「カウンタック」製作に尽くしたKen Imhoff氏は正真正銘のド変態エンジニアといっても過言ではないでしょうね(もちろん最高の褒め言葉)。

【Man Spent 17 Years Building a Lamborghini in Basement】

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Reference:CARSCOOPS