フェラーリが「こんなレプリカは許されない」と激怒!レーシングモデルFXX Kのデザインをパクったとしてマンソリーを提訴→著作権侵害を認めフェラーリが勝訴

マンソリーの自信作でもある4XXシラクーサが”パクリモデル”と認定されてしまったようだ

ドイツの超高級アフターパーツメーカーでお馴染みマンソリーが、2016年3月に発表したフェラーリ488GTBベースのカスタムモデル「4XXシラクーサ(Mnasory Ferrari 4XX Siracusa)」。

このモデルは、フェラーリのスペシャルレーシングモデルとなるFXX Kからインスピレーションを受けたオリジナルのカスタムボディキットですが、これを見たフェラーリが「我が社の財産であるFXX Kのデザインをコピーして不当に販売している」と激怒し、マンソリーを訴えていたことをご存じでしょうか。

当時は260万ドル(日本円換算で約3億円)で新車販売していたFXX Kに対し、一方で25万ドル(約2,840万円)の488GTBをフラッグシップレーシングモデルのように見えるチューニングボディキットを販売していたマンソリーですが、これをフェラーリは許すことができず「こんな悪質なレプリカを販売することは許されない」と語っています。


マンソリーも今回は、さすがに相手と選んだ車種が悪かった

今回の一件について、フェラーリSpAは、ドイツのBundesgerichtshof裁判所にて、マンソリーデザイン&ホールディングGMbH(Mansory Design&HoldingGmbH)とWHを「未登録の意匠に対する権利を侵害した」として提訴。

最終的には、ルクセンブルクの欧州連合司法裁判所(CJEU)にて裁判が行われ、2021年10月28日に声明が発表されました。

海外メディア・ロイター通信によれば、ドイツのBundesgerichtshof最高裁判所は、FXX Kの外観に対する設計権を所有しているというフェラーリの主張に同意。

このデザインを使用できるのはフェラーリFXX Kのみであり、マンソリーのチューニングキット4XXシラクーサは、著作権侵害であることを認めました。

なおマンソリーとしては、あくまでも「FXX Kをモチーフにしたボディキット」として販売したものの、さすがにフェラーリとて、同社のフラッグシップレーシングモデルのデザインを用いられたことは許すことができなかったのだと思われ、マンソリーも「さすがに今回はモチーフにしたモデルも、相手も悪かった」と考える以外は無いのかもしれませんね。

最も問題となったポイントは、フロントフードとバンパーデザイン

ちなみにこちらが、マンソリーが販売した488GTB専用のワイドボディキット4XXシラクーサ。

今回問題となったデザインは、ボンネットのV字型セクションとフロントバンパー。

上の画像でもお分かりの通り、ボディキットにはデュアルバンパーインテークや、中央のF1からインスパイアされたベース、カーボンファイバースプリッター、ブラックのインレットの形状が非常に似ていて、FXX Kを模倣していると言われても仕方のないところ。

そしてこちらが、世界限定32台のみ生産されたフェラーリのレーシングモデルFXX K。

公道モデルでお馴染みラ・フェラーリ(LaFerrari)をベースとしたトラック専用モデルですが、確かにフロントバンパー形状やフロントフード形状とデザインアクセントは非常にそっくり。

今後4XXシラクーサはどうなる?

Bundesgerichtshof最高裁判所より、C-123/20の意見書には次のように記載されています。

車両の外観など、製品の完全なデザインを一般に公開するには、その車両の車体の特定の要素の外観など、その製品の一部。

ただし、後者の設計は、その設計が利用可能になった時点で明確に識別可能である必要があります。

また、特定の線、輪郭、色、形状、または質感によって定義される製品の目に見える部分は、その規定の意味の範囲内で、製品の一部の外観を構成し、次のように保護される場合があることも認識しています。

via:InfoCuria

なお、今回の裁判にて敗訴となったマンソリーですが、今後4XXシラクーサを市場から撤退させる必要があるのか、フェラーリにロイヤリティを支払うことを余儀なくされるのかは明らかになっていないものの、少なからず販売継続は不可能となったことは間違いなさそうです。

さすがのマンソリーもフェラーリを激怒させたともなれば、これをきっかけに容易にオマージュモデルや、既存モデルをモチーフにしたボディキットの販売も非常に難しくなってくるかもしれません。

最近の例でいえば、DarwinPRO Aerodynamicsが販売したマクラーレン・セナ(McLaren Senna)の外観を模倣した720S専用ボディキットも販売されていますが、これについてももしかするとマクラーレンからお叱りがあるかもしれません。

日本国内でも、ランボルギーニのデザインを模倣したとして厳重注意を受けたアフターパーツメーカーが存在した!気になる続きは以下の次のページにてチェック!