国内カーメディアがフルモデルチェンジ版・ホンダ新型ステップワゴンは日産C27セレナよりも「売れてない」との報道。この報道について、私は「在庫車の有無」が関係しているのでは?と考えている

新型ステップワゴンの販売台数が伸び悩んでいるようにも見えるが、本当にそうなのだろうか?

2022年5月26日に発売されたホンダのフルモデルチェンジ版・新型ステップワゴン(Honda New STEPWGN)。

私も2022年6月に納車されており、乗り心地やステアリングフィール、ドライブフィールは非常に評価が高く、2列目シートの使い勝手の良さは、競合のミドルサイズミニバンと比べてもトップクラスだと考えています。

そんな新型ステップワゴンですが、国内カーメディア・くるまのニュースさんより【モデル末期の日産「セレナ」になぜ勝てない? ホンダ新型「ステップワゴン」はホントに販売好調? 真相は?】と中々に過激なタイトルで報じています。

なお記事タイトルにもある通り、記事の中身は新型ステップワゴンが競合の日産C27セレナよりも「売れていない」というものですが、シンプルに販売台数だけで「売れていない」と断言できるのかは疑問に思う所。

っというのも、新型ステップワゴンと現行C27セレナで台数差が生じるのには「理由」があると考えていて、その理由について述べていきたいと思います。


ホンダ新型ステップワゴンの2022年5月度~10月度までの新車販売・登録台数を見ていこう

まずは新型ステップワゴンの新車販売・登録台数についてチェックしていきましょう。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会より、新型ステップワゴンが発売されて2022年5月26日である2022年5月度~10月度までの販売台数は以下の通り。

【新型ステップワゴンの新車販売・登録台数一覧(2022年5月26日発売)】

◇2022年5月度台数:2,025台(前年比95.6%)

◇2022年6月度台数:3,378台(前年比138.2%)

◇2022年7月度台数:5,708台(前年比228.9%)

◇2022年8月度台数:4,614台(前年比158.7%)

◇2022年9月度台数:2,792台(前年比84.5%)

◇2022年10月度台数:3,075台(前年比98.4%)


◇2022年5月度~10月度:21,592台(月平均3,599台)

via:一般社団法人日本自動車販売協会連合会

以上の通り、2022年5月度~10月度のトータル販売・登録台数は21,592台で、月平均で見ると約3,600台となっていますね。

ちなみにホンダ公式プレスリリースによると、目標月販台数は5,000台となっていますが、目標月販に到達していないのは、部品供給不足や半導体の供給不足が影響し長納期化ているからだと考えられます。

日産の現行C27セレナの販売・登録台数も見ていこう

続いて、日産の現行C27セレナの2022年1月度~10月度までの販売・登録台数を見ていきましょう。

【2022年の日産セレナ(C27)の累計販売・登録台数一】

◇2022年1月度台数:4,713台(前年比82.7%)

◇2022年2月度台数:5,981台(前年比94.9%)

◇2022年3月度台数:8,022台(前年比87.1%)

◇2022年4月度台数:3,057台(前年91.5%)

◇2022年5月度台数:2,577台(前年比74.5%)

◇2022年6月度台数:3,544台(前年比83.0%)

◇2022年7月度台数:6,359台(前年比119.3%)

◇2022年8月度台数:5,275台(前年比122.6%)

◇2022年9月度台数:5,854台(前年比85.7%)

◇2022年10月度台数:4,446台(前年比111.8%)


◇2022年1月度~10月度:49,828台(月平均4,983台)

via:一般社団法人日本自動車販売協会連合会

以上の通り、2022年1月度~10月度のトータル販売・登録台数は49,828台で、月平均で見ると約4,983台となっていることから、確かにセレナの方が高い平均値で販売しているのが確認できますね。

新型ステップワゴンと現行C27セレナで大きく異なるのは「在庫車の有無」や「値引き・割引き」

そこで今回、くるまのニュースさんが取上げている【モデル末期の日産「セレナ」になぜ勝てない? ホンダ新型「ステップワゴン」はホントに販売好調? 真相は?】の肝の部分なのですが、これについて真っ先に思ったのは「ディーラーがどれだけ未登録の在庫車を確保しているか?」ということ。

っというのも現行C27セレナはモデル末期で、次期C28型が2022年11月28日に発表予定となっていますが、2022年11月中旬時点でも現行C27セレナが好調な販売を見せているのは、「次期C28の価格帯が高額」であることや「納期がいつになるかわからない」ことを理由に、モデル末期で値引き・割引き幅の大きい(別の言い方をすれば安く買える)現行C27の方がお買い得であり、且つ日産ディーラーが在庫車を多く抱えている可能性が高いため、「安く・早く納車される」ことが、今回の販売台数に大きく影響しているのではないかと推測されます。

実際にいつもお世話になっている日産ディーラーにも取材させていただきましたが、部品供給不足や半導体の供給不足で、ほとんどの新車・新型車が長納期化し出した2022年4月あたりから、現行C27セレナの在庫車に関する問い合わせが多くなり、徐々に「受注停止」「長納期化」が深刻になりだした7月以降から、更に問い合わせが増えてきたとのこと。

2ページ目:新型ステップワゴンは2022年5月26日に発売されたばかり新型車なので、生産が安定しておらず在庫車も少ないということに?