UAEドバイの石油王だけに特別に作られたワンオフモデルのメルセデスベンツLotec C1000が競売に出品予定!開発・製造に約4年…最高時速は431km/hでヘッドライトはアルピーヌA110風

メルセデスベンツが、ここまでレーシーで割り切ったワンオフモデルを発売していたとは…

自動車メーカーが特別なオーナーだけに製造・販売するワンオフモデルが存在し、フェラーリやランボルギーニなどでも数多く存在しますが、メルセデスベンツがアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイのとある石油王一人だけのために特別に製造・販売したという公道走行可能なワンオフモデルが存在します。

そのモデルというのが、1990年代に製造されたLotec主体で開発・製造されたC1000と呼ばれるスーパーカーで、スーパーカーのイベントや展示会にもほとんど出展されていない希少で謎多き一台ではないかと思います。

そんなメルセデスベンツLotec C1000が、どうやら競売に出品される可能性があるとして大きな話題となっています。


フロントマスクはまるで、CLK-GTRやアルピーヌA110風の四眼ヘッドライト

こちらが今回公開されたメルセデスベンツのワンオフモデルとなるLotec C1000。

約12年前の公道仕様のスーパーカーとのことで、とても1990年代とは思えないほどに色あせない近未来的なエクステリアで、見た目はまさにスーパーカー。

そしてメルセデスベンツのフロントエンブレムが無ければ、パッと見ではメルセデスとわからないほどの個性的なデザインに仕上げられていますね。

フロントマスクは、CLK-GTRやアルピーヌA110を彷彿とさせる片側丸目2灯式のヘッドライトで、ボディスタイルはグループCカーのような「空力に特化したスタイリング」といったところでしょうか。

Lotec C1000は1995年に製造が完了し、その2年後となる1997年にCLK-GTRが登場

サイドビューから見たると、こちらもどことなくCLK-GTRを彷彿とさせながら、エキゾチックでありながらも、まさにレーシングカーそのもの。

ただよくよく考えてみると、CLK-GTRは1997年デビューなので、C1000ベースの更なる上位版がCLK-GTRということに?

石油王の一声で開発がスタートしたC1000、どんだけ強い権限持ってるの石油王

当時このモデルの開発が進められるきっかけとなったのは、グループ6とグループCのレーシングカーを製造していたことで知られるLotecに対し、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの石油王からの連絡を受け「まるでレーシングカーのような、世界最速の特別な車を作ってほしい」という依頼から、このプロジェクトがスタートしたと言われています。

ちなみに、Lotecはドイツのスポーツカーメーカーで、同社は1962年にKurtLotterschmidによって設立。

1969年までに、同社はレースカーの製造を開始し、1975年にポルシェの改造に注意を向けていましたが、そもそもLotec主体で一人のユーザーのためにワンオフモデルを製造すること自体考えられなかったことですから、もしかすると石油王とLotecとの間には、何か密接な関係があったのかもしれませんし、スポンサーとして懇意にしていたのかもしれませんね。

車体重量は僅か1,080kg、エンジンはメルセデスベンツ製のV8エンジンを搭載

とはいえ、「世界最速の車を作ってほしい」という無理難題の要求に対して、メルセデスベンツとLotecが手を組んでC1000という未知のスペシャルモデルを作り上げるというのも驚き。

なおC1000のシャシーはオールカーボンファイバー製で、ボディも全てカーボンファイバー製の軽量ボディに仕上げられているとのこと。

パネルと組み合わせると、重量はわずか1,080kgと軽自動車並みの軽さを持ち、その後メルセデスベンツから供給された排気量5.6L V型8気筒エンジンを搭載。

但しこのエンジン、量産仕様のV型8気筒自然吸気エンジンではなく、ギャレットターボチャージャーを2基搭載することで最高出力1,000hpを発揮。

トランスミッションは、ヒューランド製5速レーシングトランスミッションを搭載し、駆動方式は後輪駆動(RWD)とかなり刺激的なスーパーカー(1,000hpを超えるのであればハイパーカー?)ということに。

2ページ目:メルセデスベンツLotec C1000の最高時速は、ブガッティやヘネシー、マクラーレンF1よりも速かった?!