【史上初】「デイトナ」の愛称をもつフェラーリ365GTB/4プロトタイプが完璧なレストアに成功し競売へ。クラシケの認証も得て予想落札価格は数億円か

そもそもフェラーリ365GTB/4プロトタイプ自体が6台しか製造されていない幻のモデルともいわれている

フェラーリのグランドツアラーモデルの一つでもあり、「デイトナ(Ferrari Daytona)」の愛称で呼ばれる365GTB/4ですが、何とこのモデルの一番初期となるプロトタイプモデルが、2023年5月末に開催されるRMサザビーズオークションにて出品されることが明らかとなりました。

そもそも、365GTB/4のプロトタイプモデルが現存していることが奇跡に近いともいえますが、今回このモデルを、オランダを拠点とするクラシックフェラーリを得意とするスペシャリストが見事にレストアに成功し、オリジナルのシャシーと独自のV型12気筒自然吸気エンジンを搭載、更にはフェラーリの公式認証プログラムであるクラシケの認証も受けた本物の一台となっています。

ちなみにフェラーリ・クラシケの対象は、生産から20年以上経過したモデルで、オリジナル状態を保っている車両に対し、フェラーリ社が有償で鑑定書を発行するもの。

鑑定は、フェラーリ正規ディーラーが代行するので、わざわざイタリア本社に持ち込む必要はないとのこと。


レストアした365GTB/4プロトタイプを見ていこう

こちらが今回、2023年5月下旬にオークションにて出品予定となっているフェラーリ365GTB/4プロトタイプのレストアモデル。

1960年代後半に365GTB/4に「デイトナ」の愛称を与えることにつながり(つまり365GTB/4デイトナが正式名称ではない)、フェラーリは最近、この象徴的な名前を後のICONAモデルで、世界限定599台のみとなる新型デイトナSP3(New Daytona SP3)を発売しました。
※デイトナSP3より、ようやくフェラーリは”デイトナ”を車名に採用した

改めてプロトタイプモデルを見ていくと、デザインとしては275GTB/4とその後の365GTB/4の両方にリンクしており、しかもこれは製造されたわずか6台のプロトタイプのみに採用されていて、今回オークションに出品されるのは一番目に製造されたもの。

これには、Tipo 596のシャシーと、Tipo 243として知られる独自の排気量4.4L Colombo V型12気筒自然吸気エンジンに、6つのWeberキャブレターが搭載されています。

なおこのモデルは、275GTB/4と比べてノーズが伸びてフラットになり、ヘッドライトが覆われているのも特徴の一つ。

興味深いことに、アメリカの安全規制によりカバー後ろのヘッドライトが当時禁止されていたため、後のデイトナモデルにはリトラクタブルポップアップヘッドライトが搭載されました。

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