マクラーレンF1で走行中フロントガラスにヒビ→その修理費用はトヨタ新型プリウス(60系)よりも高額だった件→一体なぜこんなにも高いのか?
マクラーレンF1の市場価格は約30億円だが、一方で維持費もとんでもなかった
世界限定106台のみ販売されたマクラーレンの3座シートスーパーカーF1。
Mr.ビーンでお馴染みとなる俳優ローワン・アトキンソン氏も愛車として所有していた有名な一台であり、日本にも複数台納車され、現在の市場価格は2,000万ドル(日本円に換算して30億円)を超えるほどのプレミア価値が付いています。
マクラーレンF1は、世界に僅か106台しか存在しないために在庫として保管されているパーツが極めて少ないことや、入庫及び修理可能な拠点が限られていること、そして修理するにも工程が複雑で、「修理できる人材が限られている」ことからコストも数百万円~数千万円規模と言われています。
そんなF1が、マクラーレンのイベントに2台出展され、その際のサーキット走行時にフロントガラスにヒビが入り、修理代がとんでもない金額であることが判明しています。
マクラーレンのフロントガラスの修理に必要な費用は、トヨタ新型プリウス1台分だった
こちらが今回、アメリカ・カリフォルニアのソノマレースウェイにて開催されたマクラーレンのスペシャルイベント「ベロシティ・インビテーショナル」でのワンシーン。
特別展示並びにサーキット走行が行われたブルーとレッドのマクラーレンF1の2台が並べられています。
1台見かけるだけでも奇跡なのですが、まさか1つのイベントで2台も登場するとは…これら2台だけで約60億円のプレミア価値があるという恐ろしさ…
一見すると、両車ともに新品同様の美しさで傷一つ無さそうに見えるのですが…
よ~く見てみると、こんな感じでフロントガラスに大きなヒビが入っているのが確認できますね。
一方のレッドにもフロントウィンドウに大きなヒビが確認できるかと思います。
まさかサーキット走行で両車共にほぼほぼ同じヒビが入ってしまうとは…
どのような経緯でヒビが入ってしまったのかは不明ですが、おそらくは飛び石による原因ではないかと予想されるも、だからといって希少なF1の2台に同じキズが付くのは「運とタイミングが悪かった」としか言えない所。
フロントウィンドウ本体と工賃だけで約494万円
ちなみにこのフロントガラスですが、空力特性を考慮して特殊製造された数少ない部品とのことで、部品代だけで25,000ドル(日本円に換算して約374万円)、そして工賃が8,000ドル(日本円に換算して約120万円)となるため、総額にして33,000ドル(日本円に換算して約494万円)とのこと。
まさかフロントガラスだけで、トヨタ新型プリウス(Toyota New Prius, 60系)2.0L HEV Z[E-Four]1台分よりも高額だとは…
特定のディーラーへと持ち込むための輸送費など含めると、総額は1,000万円以上か…?
ただしここで注意しなければならないのは、この修理費はあくまでも部品と工賃のみなので、更に今度は「F1の修理を請け負うディーラーへと輸送するための費用」が発生するということ。
アメリカのマクラーレンディーラーにて、F1を取扱える店舗があるかどうかは不明なのですが、仮に本社イギリスまで輸送しなければならない場合、車両本体ごと輸送しなければならないですし、その費用も先ほどの総額の2倍にまで跳ね上がりそうなところ。
ただ、マクラーレンF1を所有するオーナーのほとんどが「修理費の額」は気にしていないものと考えられ、「金額はいくらになっても良い。修理できるのであれば完璧にしてほしい」と考えるオーナーがほとんどなのかもしれません。