マクラーレンF1で走行中フロントガラスにヒビ→その修理費用はトヨタ新型プリウス(60系)よりも高額だった件→一体なぜこんなにも高いのか?

(続き)マクラーレンF1の維持費は想像以上にヤバかった

先程のマクラーレンF1のフロントウィンドウですが、幸いなことに、海外カーメディアの報道によれば、2023年11月末時点で「F1の交換用となるオリジナルガラスの在庫が数枚残っている」とのことで、早急に対応可能とのこと。

今後、F1専用の新たなパーツ(アルミニウム燃料タンクやマグネシウム)の設計と構造の見直しと共に、何年にもわたってオーナーに安定した供給ができるように改善していくとの情報もあるため、「パーツ一つ交換するために何年も待ち続ける」ことが無くなるかもしれませんね。

なお参考までに、マクラーレンF1の維持費は、ブガッティ・シロン(Bugatti Chiron)と同等レベルで、例えばタイヤを購入・交換するだけでも約500万円かかると云われています。

タイヤ銘柄はミシュラン製で、現在は製造されていない幻のタイヤとなっており、サイズはフロント235/45ZR17インチ、リヤ315/45 ZR17インチとかなり特殊。

タイヤ交換後には、マクラーレンがサーキットもしくは競馬場を貸し切りにし、専用ドライバーを雇ってF1のサスペンションシステムも併せてタイヤの装着に問題がないことを確認するため、いわゆるそのためだけの工賃費用も相当な金額になるんですね。

なお参考までに、ブガッティ・ヴェイロン/シロンのタイヤ交換の維持費も4本で約400万円と云われていますが、これはタイヤ4本分が400万円なのではなく、新品のタイヤに組付けることのできるディーラーがフランス本社にしかないため、わざわざホイールとタイヤセットを飛行機で輸送するための「輸送費」も含めてのトータル金額になるのでご注意ください。

そう考えると、マクラーレンF1もその一つになる?と思ってしまいそうですが、そもそもサーキットを丸々貸切るだけでも数百万円の世界になりますから、飛行機での輸送費なども含める約1,000万円に上るかもしれませんね。


マクラーレンF1の更にヤバイ維持費もチェック

この他にも、F1が装着しているホイールは、アルミや鍛造、鋳造ではなくマグネシウム合金の素材を使用しており、ホイールだけで1本あたり約100万円と超高額。

そして、同車に装備される燃料電池は5年毎に約1,200万円の交換費用が発生し、クラッチは2~3年毎に交換が必要になるため、その金額も約500万円と高級車1台購入できるほど。

更に、この個体をメンテナンスする際に必要とされるコンピューターは、20年以上前のCompaq製(現HP)のノートPC「LTE 5280 laptop」が必要不可欠と言われており、その理由として「F1にはノートPCと自動車を接続するためのDOSベースで動く特注のCAカードが使用されており、CAカードを使ってメンテナンスができるのは、LTE 5280 laptopのみだから」だそうです。

これはセキュリティ面も考慮してだそうですが、一方で汎用のインターフェースを使用せずに特定の機種のみでメンテナンスできるようにしてしまったため、今現在でも上の画像のような年季の入ったノートPCを使用する必要があるようです。

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Reference:CARSCOOPS, Instagram