トヨタがジムニーとスイフトベースの共同開発を提案→スズキが頑なに拒否→一体なぜ?世界初となるケーニグセグ・ジェスコがシンガポールにて納車!

スズキは目先の利益よりも「スズキとしてのプライド」を大事にしたかったのかもしれない

2023年のスズキといえば、フルモデルチェンジ版・新型スペーシア(Suzuki New Spacia)/スペーシアカスタム(New Spacia Custom)や、新型スイフト(New Swift)を発表・発売し大きな注目を集めましたが、その一方で海外市場向けにおいては、トヨタがスズキに対して新たな共同開発の話を持ち掛けていたことが明らかとなりました。

これは海外カーメディアAutocar Indiaが明らかにしたもので、どうやらスズキ・ジムニー(Suzuki Jimny)とスイフトをベースにした共同開発モデルをトヨタが提案していたそうですが、スズキがそれを拒否していたそうです。

海外ではトヨタとスズキの共同開発モデルが何種類かラインナップされている

トヨタとスズキの共同開発モデルといえば、欧州市場向けだとRAV4 PHEVをベースにしたOEMモデルのスズキ・アクロス(New ACROSS、左側)や、カローラ(Corolla)をベースにしたスズキ・スウェイス(Swace、右側)がラインナップされ、一方でインド市場では、スズキ・グランドビターラ(Grand Vitara)をベースにした、トヨタ新型アーバンクルーザー・ハイライダー(Urban Cruiser Hyryder)をラインナップしています。

こうした様々な共同開発モデルが誕生しているなか、なぜスズキはトヨタの提案に対して消極的だったのでしょうか?


ジムニーとスイフトはスズキのDNAには必要不可欠であり、容易に他メーカーに提供できるものではない?

海外カーメディアAutocar Indiaの報道によると、スズキ・ジムニーとスイフトの独自バージョンを導入したいというトヨタの願望があるとのことで、しかしこれに対してスズキは全く乗り気ではなかった模様。

両社は、他モデルをベースにした共同開発をシームレスに展開してきましたが、どうやらスズキとしてはジムニーとスイフトに関しては「同社のDNAに必要不可欠な役割を果たしている」とのことで、仮にトヨタのエンブレムを冠した場合、ジムニーやスイフトといった象徴的な地位が薄れてしまう危険性があるとして、対応としてはかなり消極的なのだそう。

つまりは、トヨタブランドにスズキブランドが飲み込まれてしまうのではないか?というリスクを避けるために、スズキとしてはこの提案に対しては慎重な姿勢を見せていたのかもしれません。

スズキ「ただ単に両社が共有するのではなく、両社がそれらを尊重していくことが大事」

スズキとしては、これら2車のブランドがスズキを支えてきたモデルだとして、例えその相手が強力なトヨタだったとしても、スズキは信念・プライドを守り続けるという意志が見られ、今後もこれら2車種をベースにした共同開発モデルのために提供する計画はないとい説明。

反対の立場で考えれば、「スズキがトヨタに対して、ランドクルーザーのバッジエンジニアリングをさせてくれと頼むようなものだ。当社のブランドの中心となるモデルは、ただ単に共有を目的としたものではなく、両社はそれらを尊重していく必要がある」と語っていて、この考えに対しては大きく頷けるところ。

なおトヨタは、ランドクルーザーのコンパクト版となるランドクルーザーミニ/ランドクルーザーFJの開発を進めている?との噂が浮上していますが、今回のジムニーのバッジエンジニアリングとの関係性とは異なると予想され、トヨタ独自で開発が進められているものと考えられます。

トヨタが提案していたジムニーの共同開発モデルは「手頃なクロカンモデル」

なおAutocar Indiaの報道より、スズキ関係者と名乗る人物の情報によれば「トヨタがジムニーを”大型”で”高価”なクロスオーバーやSUVに代わる、より手頃な価格の4×4の代替品として構想」していたそうで、ジムニーのバッジエンジニアリングに強い関心を示していることを明らかしていたとのこと。

この理由としては、ジムニーの直近の販売状況から、当初の急増の後に減少傾向に見られたため、トヨタのバッジエンジニアリングとして販売すれば更に販売台数を増やすことができるという意味合いが込められていたとのこと。

しかし、これに対してスズキは「ジムニーの販売量を増やすためにトヨタと協力するつもりはない」と拒否したそうです(ある意味スズキはナメられていたのかも…?)。

スイフトの共同開発モデルは、トヨタがハッチバックに興味を示していたから

一方でスイフトに関しては、トヨタがハッチバックの買収もしくはバッジエンジニアリングに興味を示しているそうですが、スズキは「ブランドアイデンティティに不可欠なモデルは共有されるべきではない」と、コチラも頑なに拒否していたそうです。

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