【今までありがとう】ポルシェ718ケイマン/ボクスターが欧州での販売終了!気になる理由とは?更にアウディR8も生産終了→TTも終了で正統派スポーツカーは無し
まずは新たな厳しい規制が設けられる欧州から…その後の他の市場は不明
ポルシェのミドシップ&エントリースポーツカーでお馴染みとなる718ケイマン(Porsche 718 Cayman)と、オープントップの718ボクスター(718 Boxster)の2車種が、欧州(EU)にて廃止・販売終了となったことが明らかとなりました。
ガソリン仕様のエントリーSUVとなるマカン(Macan)同様に、ポルシェはボクスター/ケイマンを予定より早く販売・生産終了するとのことですが、その理由というのが、新しいサイバーセキュリティ規制を満たさないからだそう。
欧州での新規定となるサイバーセキュリティ法は、2024年7月に施行される予定で、その時点でポルシェは欧州内での自動車を登録できなくなるものの、今のところ欧州以外の市場では継続して生産・販売されるそうです。
そもそも2024年施行予定のサイバーセキュリティ法って何なのよ?
ポルシェ718ケイマン/718ボクスターのガソリンモデルが、欧州市場向けから撤退する以前に、そもそもサイバーセキュリティ法って何なのかが気になる所だと思います。
これは、正式には「欧州サイバーレジリエンス法」と呼ばれるもので、デジタル要素を持つ全ての製品にて、EU域内で販売されるものを対象とするわけですが、デジタルの要素を持つ製品のメーカーや開発者に対し、セキュリティ対策を義務付けるというもの。
但し、この法案には一部例外もあるようだ
こうした影響により、ポルシェ718の広報担当であるオリバー・ヒルガー氏も、motor1.comの取材に対し、「クーペとコンバーチブルがEUで販売中止されたことを認めた」とのことですが、どうやらいくつかの例外もあるとのこと。
具体的には、特別モデルのケイマンGT4 RSやボクスターRSスパイダーといった生産が限られている(限定の少量生産)モデルは、この規則から除外されるとのことなので、欧州では718ケイマン/718ボクスターは販売されないものの、それ以外の特別モデルは販売されるということに。
ちなみにこの問題は、718ボクスターと718ケイマンにて使用されているアーキテクチャが今後の規制を満たしていないことに起因しているとのことで、先程の規定を満たすためにも、プラットフォームから微調整もしくは再設計するとのこと。
そうなると、ポルシェはまったく新しいモデルに使用される予算の約半分を費やすことになるそうで、これは財政面においても決して現実的ではないとのことから、止む無く販売を終了するというのはちょっと理不尽かも。
4代目となる718ボクスター/718ケイマンは、現在のポルシェのラインナップモデルでは古参になるわけですが、2016年に「982」という社内コードネームでデビューしたものの、その基本構成としては「981」がルーツに。
初代マカンは、2014年に発売されていることを考えるとさらに古いのですが、718のEU離脱がポルシェの販売に大きな影響を与える可能性は低いものの、マカンは常に好調な売れ行きを続けていますし、2023年に全世界での販売台数は87,355台を記録し、これは718シリーズのラインナップと比較すると4倍以上になるそうです。
そして個人的に最も気になっているのが、日本での販売はどうなるのか?という点ですが、NECの公式ホームページにも掲載されている通り、日本でも自動車サイバーセキュリティ対策の重要性が記載されており、しかしUN-R155がいつから適用されるかまでは記載されていません。
適用時期が記載されていないからといって、決して安心できるものではありませんし、ポルシェとしても手放しにできないことだと思いますから、今後のフェーズに向けた取り組み次第でポルシェが見つけるべき課題が少しずつ見えてくるのではないかと予想されます。