日本でもあり得るのだろうか…米ポルシェ正規ディーラーが限定車を特別に販売する代わりに「顧客から賄賂」を受け取ったとして問題→スタッフは解雇され訴訟に発展
今回はアメリカでの出来事だが、日本でもこういった問題は起きているのだろうか?
アメリカ・サウスカロライナ州のポルシェ正規ディーラーにて、元販売店のマネージャーが、顧客から「総額数十万ドル(日本円に換算して数千万円)」の賄賂・見返りを受け取ったとして問題になっており、このスタッフは解雇 → 販売店から訴えられることに。
今回の話の注目トピックスは以下の通りとなっています。
◇ポルシェ正規ディーラーが詐欺や契約違反などを理由に元営業マネージャーを告訴
◇この元販売店スタッフは、限定車などの希少なモデルを割り当てるように、顧客に「店頭料金(実際は見返りや賄賂)」として請求したとして告発されている
◇ディーラー側は、元スタッフに支払われた金と、疑惑の陰謀が行われていた当時の賃金全額の返還を求めている
元販売スタッフは「私は特別なモデルを販売することを許された人間だ」と、詐欺師のような発言を繰り返していた模様
改めて今回起きた問題は、アメリカ・サウスカロライナ州チャールストンにあるポルシェ正規ディーラーで、元セールスマネージャーだったジェームス・マリノ氏が、その地位を乱用して人気の高い車・希少な限定モデルを購入するための「事前の店頭支払い」を要求する計画が行われていたことが発覚。
販売店は現在、さまざまな違反でジェームズ・マリノ氏を訴えており、彼に支払った金だけでなく、顧客が彼に直接支払った資金も回収することを目指しています。
第9司法裁判所に起こされた訴訟によると、ジェームス・マリノ氏は、ポルシェ・チャールストンにて6年以上働いていた優秀な敏腕スタッフだったとのことですが、ある日から顧客に対して車両価格やデポジットとは異なる「不当な金」を徴収していました。
同氏の公式SNS・LinkedInページには、2007年に遡るさまざまなポルシェディーラーとのポジションがリスト化されていて、長年ポルシェの販売スタッフとして尽くしてきました。
しかし、彼の不適切な行為は少なくとも2022年にまで遡り始まったとのことで、その間、彼は「どの買い手候補を決定するか、重要な最終決定権を持っていた」と優良顧客に話し、更に「これらの需要の高いモデルを特別に販売することは、私だけ特別に許可されている」と、まるで詐欺師のような口調で顧客を騙していたとのこと。
顧客からだまし取った金額は、総額にして「約数千万円」
続いて、スキーム全体の概要についても見ていくと、2022年には、彼は希少なモデルを手に入れる条件として、購入者に個人的に数千ドル(日本円に換算して数十万円)を支払うよう要求し始めた、とされています。
この金額だけをみれば、いわゆるデポジットや頭金として顧客が事前に支払ったようにも見えるのですが、実際はデポジットでもなんでもなく、彼が懐に隠したお金であることが発覚。
ポルシェ・チャールストンは、彼が受け取ったと思われる金額を正確には明らかにしていませんが、これまでの被害人数や金額など算出すると、総額にして「数十万ドル(日本円に換算して数千万円)」であると言われています。
2024年3月まで、ポルシェディーラー側は「問題を全く把握していなかった」
ちなみにこの情報は、2024年3月に全てが発覚したそうで、その後同氏を解雇するまで、「このような計画が行われていたこと自体、全く知らなかった」とポルシェディーラーは主張しています。
ディーラー側は、受託者義務違反や忠実義務違反、転向、詐欺、契約違反など、いくつかの申し立てについて判決を求めていて、この計画中に彼に支払ったお金と顧客が彼に支払った資金の両方を回収することを求めて、陪審裁判を提案しています。
なお、ディーラー側は彼に騙されたとされる顧客に補償するかどうかについては一切説明しておらず、今後どのように対応するかは検討している段階。
ディーラーの説明によると、こうした個人的な水面下での支払いを受け取っていない上に、訴訟はまだ初期段階にあり、2024年5月4日時点では、ジェームス・マリノ氏の弁護人は指名されていないそうです。