メルセデスベンツが「Gクラスのガソリン廃止&販売終了」を撤回!「約50万台を製造してきた内の80%が走り続けている。要望があればV8モデルも継続する」

GクラスのピュアEV化を望む声は意外と少ないのかもしれない?

2024年4月末、メルセデスベンツがフルモデルチェンジ版・新型Gクラス(Mercedes-Benz New G-Class)を発表し、更に内燃機関を一切搭載しない電気モーターとバッテリーで駆動するピュアEVモデルのG580を発表し注目を集めました。

今後メルセデスベンツは、Gクラスのガソリンモデルやディーゼルモデルを廃止する可能性を示唆していましたが、どうやらその考えを一転し、ガソリンモデルやディーゼルモデルの継続を示唆する発言が見られました。


これまで作られた約50万台のGクラスの約80%が、今もなお公道を走り続けている

オフロードでの走りの印象が強いGクラスですが、メルセデスベンツの公式声明によると、1979年の発売以来、その大部分が現在も公道を走行していることが判明。

発売当時から、複雑な設計であり、高価な部品、高額な整備コストにより、維持費も決して安価ではなかったというGクラスですが、それでも本モデルを維持・継続して乗り続けるユーザーが多いとのこと。

更には、デビューから45年という長い年月が経過しながら、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを行ってもボクシーなスタイリングと丸目ヘッドライトを継続してきた、数少ない「トレンドに左右されない」唯一無二の個体であるため、このままの見た目を愛し続けるユーザーが圧倒的に多いそうです。

その関係もあって、スタイリングだけでなくパワフルでトルクフルなパワートレインを揃えているのも、本モデルに求められているところで、いつまでも長く乗る顧客が多いのも魅力の一つ。

メルセデスAMG CEOであり、Gクラスとマイバッハのビジネスユニット責任者であるマイケル・シーベ氏によると、新型ピュアEVのGクラスへの期待について、耐用年数に関してはガソリンエンジンモデルに追いつくことが挙げられました。

ただその一方で、同氏はフランスにて開かれた円卓会議で記者団に対し「これまでに生産されたGクラスの”80%”は、今でもユーザーの手にある(公道を走っている)」と語り、車の寿命は非常に長く、ピュアEVだけに限定しないでガソリンモデルなども継続していく考えを示唆。

充電インフラなど、まだまだ満足といえない現状を考慮すると、電費の宜しくないピュアEVのみの販売は時期尚早?

当初メルセデスベンツは、Gクラスのガソリン/ディーゼルモデルの販売を終了し、ピュアEVのみの販売に注力することを明らかにしたばかりですが、昨今のピュアEVの販売不振、電気自動車の最大手であるテスラの大規模なリストラなどもあって、その方針を転換し、ガソリン/ディーゼルモデルの販売終了を撤回。

この他にも、仮にピュアEV化したGクラスが街中で増えるとして、おそらくはコンパクトピュアEVに比べて航続可能距離は少ないと思われ、充電インフラが十分ではない各国での充電渋滞が起きることも考えられ、メルセデス側もGクラスのEVのみのラインナップは、まだまだ時期尚早と判断したのかもしれません。

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