【V16を搭載するバケモノ!】1930年代に開発中断後、約90年ぶりに完成したアウディ・タイプ52がグッドウッドにデビュー!一方でA5クーペ/A5カブリオレが販売終了へ

グッドウッドにて、約90年も開発が中止されていた幻のスーパーカーが登場!

2024年7月11日~14日まで開催中のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて、アウディ未完のスーパーセダンと云われているオート・ユニオン・タイプ52(Audi Auto Union Type 52)が世界初公開されました。

この個体は、公道走行の機会を得る前に設計段階で中止された幻の一台で、現代のスーパーカー/ハイパーカーでもほとんど見ることのないV型16気筒エンジンを搭載したスーパーセダンとなります。

見た目は何ともレトロではあるものの、クレイジーな心臓を持つオート・ユニオン・タイプ52のスペックと内外装デザインを見ていきましょう。


見るからにクラシカルでエレガントな4ドアセダンに見えるのだが…?

こちらが今回、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024にて正式にデビューするオート・ユニオン・タイプ52。

オート・ユニオンは、今日のアウディブランドの前身であり、1930年代にはミッドエンジン16気筒モンスターカーでF1以前のグランプリや、ヒルクライムレースを席巻していました。

今回のモデルは、同社がフェルディナント・ポルシェと共同にてミッレミリアなどのイベントで使用できたのと同じハードウェアから、公道走行可能なスポーツセダンの製造も検討していたことはほとんど知られておらず、マクラーレンF1のような3人乗りレイアウトのセダンとして開発されていました。

当時の構想書で「シュネルシュポルトワーゲン」(高速スポーツカーの意)と呼ばれていたこのモデルは、設計段階を越えることは無かったものの、2023年にイギリスのスポーツカー専門でオート・ユニオンの専門家であるクロスウェイト&ガードナーが、アウディから依頼されたことをきっかけに本格的にプロジェクトを始動させることに。

1930年代の当初の計画では、スポーツバックセダン風のクーペに、1934年のタイプAレーサーと同じとなる排気量4.4L V型16気筒スーパーチャージャー付エンジンを搭載し、通常のガソリンポンプで給油できるように調整することになっていました。

エンジン出力は200ps/3,650rpmを発揮し、最高時速200km/hにまで到達する仕様で、当時としては十分な内容ではあったものの、時代と共に技術も進化し、2024年モデルでは更にパワーアップして登場することに。

排気量もアップして、エンジン出力も520psにアップ!

ちなみにこちらが、今回搭載された排気量6.0LにアップしたV型16気筒スーパーチャージャー付エンジンで、最高出力は大幅アップの520psを発揮。

なおボディサイズについては、パワートレインとサスペンションのためのスペースを確保するためだけに、ホイールベース3,000mm → 3,315mmに延伸。

全長や全幅などの具体的なサイズまでは不明ながらも、V型16気筒ともなると、とんでもなく後方が伸びやかになるでしょうし、現代のセダンでは考えられないようなサイズ感かもしれませんね。

マクラーレンF1と同じ3シートレイアウトを採用

ちなみにこちらがインテリア。

マクラーレンF1のようにセンターコックピット式の3シーターレイアウトで、シートはリクライニングなどの調整は無し。

ドア開閉は、フロント・リア共に何とも個性的なリアにヒンジを設けた横開き式のコーチドアを採用。

当時のクラシックセダンをモチーフにしたオート・ユニオン・タイプ52は、果たしてどのようなパフォーマンスを提供してくれるのか…グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024でのヒルクライムデビューがとても楽しみです。

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