トランプ米大統領の自動車関税25%は予想以上に深刻?スカイラインGT-R等の「25年ルール」や軽トラの「チキン税」で最大50%に上乗せされる恐れも

今回のトランプ関税により、アメリカの人気車種がどれだけ値上げし影響を受けるのだろうか?

2025年3月27日、アメリカのドナルド・トランプ大統領がアメリカ以外の輸入車を対象に、自動車関税25%を課すことを明らかにしました。

これにより、いくつかの人気車種の車両本体価格が急騰する恐れがあり、アメリカ外で生産されるモデルや、アメリカ外のパーツを使用するメーカーや下請け業者に大きな打撃を与えることになります。

今回、アメリカの調査機関であるiSeeCarsが、アメリカで最も人気のある「海外自動車・輸入車」で影響を受ける車種を公開しており、更にどれだけ値上げするのかを掲載しているのでチェックしていきましょう。


トランプ関税の影響を受けるであろう人気車種をチェック

早速、アメリカで最も人気のある輸入車を対象に、トランプ関税の影響を受けるであろう車種一覧をチェックしていきましょう。

【アメリカで最も人気のある輸入車に対する関税の影響一覧】

●シボレー・シルバラード
新車販売:55,612ドル
関税込み価格:69,515ドル
値上げ額:13,903ドル

●ラム1500
新車販売:60,380ドル
関税込み価格:75,475ドル
値上げ額:15,095ドル

●シボレー・エクイノックス
新車販売:33,208ドル
関税込み価格:41,510ドル
値上げ額:8,302ドル

●トヨタ・タコマ
新車販売:47,101ドル
関税込み価格:58,876ドル
値上げ額:11,775ドル

●日産ローグ
新車販売:35,437ドル
関税込み価格:44,296ドル
値上げ額:8,859ドル

●トヨタRAV4
新車販売:35,764ドル
関税込み価格:44,704ドル
値上げ額:8,941ドル

●ホンダ・シビック
新車販売:28,437ドル
関税込み価格:35,547ドル
値上げ額:7,109ドル

●トヨタ・カローラ
新車販売:25,371ドル
関税込み価格:31,714ドル
値上げ額:6,343ドル

●ホンダCR-V
新車販売:35,897ドル
関税込み価格:44,871ドル
値上げ額:8,974ドル

●GMCシエラ
新車販売:62,394ドル
関税込み価格:77,993ドル
値上げ額:15,599ドル

●マツダCX-5
新車販売:35,006ドル
関税込み価格:43,758ドル
値上げ額:8,752ドル

●ジープ・コンパス
新車販売:31,633ドル
関税込み価格:39,542ドル
値上げ額:7,908ドル

●トヨタ4ランナー
新車販売:54,126ドル
関税込み価格:67,658ドル
値上げ額:13,532ドル

●日産セントラ
新車販売:24,155ドル
関税込み価格:30,194ドル
値上げ額:6,039ドル

●ヒョンデ・ツーソン
新車販売:34,472ドル
関税込み価格:43,090ドル
値上げ額:8,618ドル

●ヒョンデ・エラントラ
新車販売:25,312ドル
関税込み価格:31,640ドル
値上げ額:6,328ドル

●ホンダHR-V
新車販売:29,658ドル
関税込み価格:37,072ドル
値上げ額:7,414ドル

●ダッジ・チャージャー
新車販売:66,701ドル
関税込み価格:83,377ドル
値上げ額:16,675ドル

●スバル・フォレスター
新車販売:37,124ドル
関税込み価格:46,405ドル
値上げ額:9,281ドル

●起亜スポルテージ
新車販売:33,529ドル
関税込み価格:41,911ドル
値上げ額:8,382ドル

●GMCテレイン
新車販売:35,188ドル
関税込み価格:43,985ドル
値上げ額:8,797ドル

●クライスラー・パシフィカ
新車販売:47,105ドル
関税込み価格:58,881ドル
値上げ額:11,776ドル

●シボレー・ブレイザー
新車販売:42,691ドル
関税込み価格:53,364ドル
値上げ額:10,673ドル

●ヒョンデ・ソナタ
新車販売:30,517ドル
関税込み価格:50,212ドル
値上げ額:10,042ドル


●掲載車両の平均
新車販売:40,170ドル
関税込み価格:50,212ドル
値上げ額:10,042ドル

以上の通りとなります。

最も値上げ幅が大きいのはダッジ・チャージャーの約251万円

掲載車両の平均値をみていくと、トランプ関税による値上げ額の平均は10,042ドル(日本円に換算して約151万円)。

最も高額なのは、ダッジ・チャージャーで16,675ドル(日本円に換算して約251万円)も値上げするそうです。

上の一覧にもありますが、シボレー・シルバラードやGMCシエラは、アメリカで最も売れているアメ車ではあるものの、なかにはメキシコ・シラオから輸入されているものもあるため、これらもトランプ関税の対象となるようです。

新車の大幅な値上げにより、中古車市場も急騰は避けられない?

なお、影響を受けるのは新車だけでなく、調査機関iSeeCarsのエグゼクティブアナリストであるカール・ブラウアー氏は「消費者が新車市場から締め出されるため、中古車の価格は急騰するはずだ」と指摘していて、今後中古車市場の高騰だけでなく、在庫を持てなくなる販売店が増えて来る恐れもあると危機感をあらわにしています。

2ページ目:実はトランプ関税だけでなく、「25年ルール」や「チキン税」も上乗せされて最大50%の関税を支払う恐れもある?