フラッシュドアハンドルはなぜ危険?世界で「禁止」となる恐れがある理由。リヴィアンR1Tの怖ろしいトラブル事例も紹介

今後更なる発展が期待されたフラッシュドアハンドルだが、一転して世界中で完全廃止となる恐れも

テスラやランドローバー、ランボルギーニ、更に直近だとホンダ新型プレリュード (Honda New Prelude)にも採用されているフラッシュドアハンドル(別名:格納式ドアハンドル)。

技術の進歩はあまりにも急速で、解決する問題よりも多くの問題を生み出すことがあります。

今回のフラッシュドアハンドルについて中国の規制当局は、このドアハンドルの取締り強化に向けて準備していることが発覚。

新たな基準として、新型車における格納式ドアハンドルの搭載を明確に「禁止する」可能性があるとして、もしこれが施行されれば、世界中に波紋を広げるかもしれません。


禁止措置に関する本格的な施行は2027年までかかる

中国メディア・明京プロが報じたこの規制案は、中国工業情報化部(MIIT)が提出したものとのことで、完全に格納しない、いわゆる「半格納式ドアハンドル」は認められるものの、「完全格納式ドアハンドル」は禁止されるとのこと。

ちなみに、このハンドルを採用する条件として、すべての車両が緊急時にドアを開けられるよう、機械式バックアップシステムを搭載する必要があります。

中国カーメディアCar News Chinaによると、最終規則は2025年9月末までに発表される可能性があるとのことですが、本格的な施行は2027年までかかるため、メーカーは生産体制を整える時間を十分に持つことになります。

多くの自動車メーカーは、既にこの変更の可能性を認識しており、解決策を検討している可能性はありますが、これからようやく展開することが予想された技術が、このタイミングで一挙に廃止の方向に進むとは…

なぜフラッシュドアハンドルが禁止されるのか?

それではなぜ、このフラッシュドアハンドルの規制が強化(禁止)されるのでしょうか?

フラッシュドアハンドルは、現代のBEVモデルの象徴の一つでもあり、その未来的な外観だけでなく、空力性能向上という側面でも高く評価されてきました。

しかしながら、このフラッシュドアハンドルの実質的な空気抵抗の低減は、わずか「0.005~0.01Cd」と非常に小さく、100kmあたり約0.6kWh程度の電力を節約する程度。

これは非常に小さな値であり、フラッシュドアハンドルを採用するほどの効果があるのだろうか?と言われると皆無に等しいとのことで、特に自宅で充電する人にとっては無視できるほどなのだそう。

同時に、これらのドアを動かすモーターや機構を追加すると、7~8kgの重量増加につながる恐れがあるため、それならば最初からフラッシュドアハンドルを採用することなく、スタンダードなドアハンドルにすることで車体重量を軽量化 → 電費もしくは燃費向上につながり、更に無駄な電力を無くすことでバッテリー上がり問題を解消できる可能性にもつながるとのこと。

実は安全面において危険なフラッシュドアハンドル

そして、このドアハンドルの最大の規制ポイントが事故やトラブルに起きたときの対処。

このようなドアハンドルの故障例は、中国では数え切れないほど報告されているそうで、モーターが凍結すると、ドライバーは車内への迅速なアクセスができず、立ち往生してしまうことが多く、つまり冬場の利用は不適切。

更に衝突データにおいては、側面衝突後のドアハンドルの故障率は30%以上とのことですし、おまけに交換するとなると、はるかに高額になることも報告されています(コスパが悪い)。

こうした様々な問題から、中国がこの禁止措置を実施すれば、フラッシュドアハンドルは世界中のあらゆる場所で影響を及ぼす恐れがあります。

多くの自動車メーカーは、世界最大の自動車市場である中国を自社の事業計画の大きな部分として占めていますし、こうした規制に適合するように設計を変更するということは、他の市場でも同様の非平面設計を展開することを意味します。

繰り返しにはなりますが、これによって自動車メーカーが半格納式となるセミフラッシュハンドルを使用することが阻止されるわけではありませんが、将来的にフルフラッシュハンドルが登場することが阻止される可能性はありますし、一方で車体重量の軽量化や、車両本体価格の大幅な値上げなども抑えられるというメリットにつながるかもしれませんね。

2ページ目:アメリカの電気自動車メーカー・リヴィアンR1Tが最悪のトラブル!その後のサポートセンターの対応も酷かった