ホンダは次期S2000の復活を諦めていない!チーフエンジニアが語る『社員の熱意』と『ホンダDNA死守』のプライド。しかし現実が招く、コスト・価格高騰の壁

ホンダはまだ、次期S2000を諦めたわけではないようだ

ホンダの2ドアスポーツモデルの中で、特にニッチなオープントップ&後輪駆動[FR]をベースにしているのがS2000とS660。

何れも既に生産・販売終了している希少モデルで、特にS2000は海外市場にて高値で取引されています。

そんなS2000ですが、今後ホンダから次期型が登場することはない?と噂されていましたが、どうやらホンダのエンジニアは「次期S2000の開発を完全に諦めたわけではない」ことが判明。

海外カーメディアが、実際にホンダのチーフエンジニアに取材したところ、「S2000を復活させたいと考えている」とコメントしたそうです。


「ホンダの社員は皆、S2000が大好きだ!だからこそ復活させたい」

これは海外カーメディアDriveが、2025年10月29日より開催されているジャパンモビリティショー2025 (JMS2025)にて、ホンダ関係者に取材した際の内容を共有しています。

JMS2025にて、新型プレリュードのチーフエンジニアである開発責任者・山上智行 氏に取材したところ、「次期S2000を復活させたい」という希望があることを明らかにし、加えて「次期S2000の復活は、誰もが望んでおり、ホンダの社員も皆S2000が大好きなので、いつか自分も作りたいと思っています」とコメント。

ホンダとしても、S2000を復活させようと意欲を見せていますが、少量生産のニッチなコンバーチブルを新たに発売するビジネスケースは中々成り立たないために、ホンダの覚悟に加え、市場からの一定のニーズ、更には既存となるモデルからの派生車種でない限りは難しいことも明らかにしています。

S2000といえば、1999年~2009年まで生産され、2003年からはAP1とAP2の2つのバージョンに分かれました。

本モデルには、排気量2.2L 直列4気筒エンジンを搭載するF22C型が存在すれば、排気量2.0L 直列4気筒エンジンを搭載するF20C型も存在しました。

駆動力は、6速MTを介して後輪に送られ、本題のラインナップモデルとしては極めて珍しい前後でタイヤの太さが異なるのもポイントですし、ソフトトップルーフは電動にて作動します。

S2000の日本版とアメリカ版では、初期型F20C型が採用され、後期型でF22C型エンジンがラインナップされ、最高出力240ps/最大トルク220Nmを発揮し、エンジン回転数のレッドラインは8,000prmとなっています。

ホンダ「次期S2000は、他社との共同開発を避けたい」

そんな魅力的なスポーツモデルでもあるS2000ですが、パワートレインやプラットフォーム含め、ホンダのラインナップモデルでは、派生車種が存在しない唯一無二の個体となります。

年々、独自開発が難しくなっているスポーツカーですが、海外カーメディアDriveは山上 氏に対し、トヨタGR86/スバルBRZやトヨタGRスープラ/BMW Z4、マツダNDロードスター/アバルト124スパイダーのように、次期S2000の開発を他メーカーと共同で行う可能性について質問。

これに山上氏は、「ホンダが車名を薄めたくないかもしれない」として、他社との共同開発によってS2000の存在意義や特別感が失われてしまうという危機感から、その考えを否定しています。

加えて山本 氏は、「ホンダS2000に何が期待されているかは分かっています。ですから、ホンダのDNAを維持することが私たちにとって重要なのです」と語り、他メーカーとの共同開発で個性を犠牲にするよりも(どこかで大京しなければならないときが来るという恐れも考慮し)、100%自社開発することが、ホンダとしてのプライドを守り、ユーザーが求める「S2000本来の走り」を提供できると自信を示しています。

2ページ目:新型プレリュードが約25年ぶりに復活できたのは、シビックというベースが存在するから