ビッグマイナーチェンジ版・スズキ新型ワゴンR (5型)がスライドドアを頑なに拒否する理由とは?開発者が語る「ヒンジドアで確保する”車両剛性”と”走行安定性”の重要性」
「軽自動車=後席スライドドア」のイメージが定着しているなかで、ヒンジドアを継続するワゴンRは希少な存在になりつつある
2025年12月15日に発表・発売された、スズキのビッグマイナーチェンジ版・新型ワゴンR (Suzuki New Wagon R, 6代目/5型)。
今回のビッグマイナーチェンジでは、ノーマルボディとスティングレーの廃止に伴い、エアロボディタイプのカスタムZに集約され、更に5速MTとCVTを設定したカスタムZ・FLグレード、そして自然吸気+マイルドハイブリッドを設定したカスタムZ・HYBRID ZXがラインナップされました。
この他、予防安全装備Suzuki Safety Supportにおいては、デュアルセンサーブレーキサポートⅡを含めたアップデートが実施され、ヒンジドアの軽自動車としては極めて珍しいステアリングヒーターも採用しました(HYBRID ZXのみ)。
そんな商品力の大幅アップに加えて、約13万円~約16万円値上げされた新型ワゴンRについて、スズキ公式YouTubeチャンネルにて、ワゴンRの開発秘話に関する動画を公開しています。
開発の中で大切にしたこと

早速、スズキ公式YouTubeチャンネルにて公開されている「ワゴンR 歴代開発者対談インタビュー」を見ていきましょう。
この動画では、初代誕生秘話や開発の裏に隠されたエピソード、30年以上にわたり受け継がれるDNAなど、こだわりポイントを対談形式で紹介しています。
まずは、ワゴンRの開発なかで大切にしたことを見ていきましょう。
初代ボディーレイアウト設計担当
沼澤正司 氏初代ワゴンRより大切にしてきたことは、多くの方々に支持されている室内のレイアウト。
ミニバンというのは背が高くて、乗車姿勢も高く、乗降りもし易い。
荷物もたくさん積めて、遊びに行けそうな特徴を持った車。
小さな空間ながら、とても楽しくワクワクするような印象も感じ取れて、このレイアウトがものすごいポテンシャルがあるのではないか?と、そのとき肌で感じた。
3~6代目デザイン担当
山本雄高 氏初代ワゴンRは横から見るとわかるが、ルーフが後ろに行くにしたがって、だんだんと高くなっているので、他にはない形をしている。
ワゴンRという名前で、普通に毎日聞いているから、あまり違和感ないとは思うが、よくよく考えてみると「ちょっと変わった名前」なんですね。
この名前の由来は「ワゴンであ~る」というダジャレという説もあったが、実際には「レボリューション (Revolution)」のイニシャル”R”が由来。
アップライトに人を座らせてパッケージを変えた、という背景がある。
ワゴンRは、人の乗せ方を変えたパイオニアである。
そういう意味での「Revolution」であることを実感している。
ワゴンRは、新ジャンルを作った車ともいわれている。
以上の通りとなります。
ワゴンRの開発にあたり、車名のなかにある「R」の由来が「ワゴンであ~る」という説があったのは有名ではあるものの、一方で「Revolution (革命)」のイニシャルが由来であることが知られないのも意外でしたね。
時代に合わせたアップデート(2代目~5代目)

続いては、ワゴンRの時代にあわせたアップデートについて見ていきましょう。
初代~5代目ドア設計担当
吉岡顕 氏私は車体設計のなかでドアを担当していたが、絶対にどのお客さんも必ず触る部品になる。
そのため、全てにおいて「シンプルな機能」というのを大事にしてきたし、凄い愛着をもって担当してきた。
3~6代目デザイン担当
山本雄高 氏最初は「レジャーに使える」とか、そういうイメージを持っていたが、それよりも段々と快適性であったり、スタイリッシュさを求められているようになってきた。
デザインも当然、質感であったり、快適性みたいなことを重視してデザインするように変化していった。
6代目の原点回帰について

続いて、ワゴンRの6代目の原点回帰について見ていきましょう。
4代目エンジン設計担当
6代目チーフエンジニア
河村恭博 氏初代と6代目が似ているといった指摘があるが、バックドアのスタイルは「より使いやすくなっている」ということで、横幅の広さを出そうとなったとき、元々リアコンビランプが縦長であったものを下にもっていくことで、よりワイド感を出すことができた。
テールランプの下に持ってきたワイド感を出すことは初代から始まっていて、その後の2~4代目は乗用車チックに変化し、リアコンビランプを上に移行していた。
その後、一旦6代目においてリアコンビランプを下に持っていきながら、上のドアを広く開けられるようにするところや、前のワイド感も同じで、結果的に初代に似ている形になっていた。
3~6代目デザイン担当
山本雄高 氏6代目では、遊びにも使えそうな「道具感」を大事にしていて、デザイン性においても初代に立ちかえって表現してみようということで採用した。
ただ、ワゴンRのデザインを大きく変えるとなるととても大変で、会議のなかでは「これはワゴンRじゃない」との指摘も入る。
一方で、6代目では変化しなかったら「変わっていない」ともいわれてしまう。
以上の通り、ワゴンRのリアコンビに配置の変遷は「言われてみると確かに…」と思う一方で、リアコンビランプを下部に移行することで、バックドアの開口部の拡大につながるのも、機能美含めてしっかりとした意味があったわけですね。
