【衝撃の検証】トヨタとワシントン大学が暴いた「大型タッチパネル」の危険性。画面を大きくしても操作性は向上せず…それでも物理スイッチを排除し続けるのか?

果たしてこの研究成果にはどのような価値があるのだろうか

一時期、物理スイッチやダイヤルノブが主流だった車のインパネ周りですが、中国を中心に大型タッチスクリーンを採用することで、物理スイッチを極力なくしたミニマルなレイアウトが主流になりつつあります。

ただし、こうしたスイッチレスなインテリアについては、確かにスマートでシンプルですし、音声認識システムを活用すれば地図アプリの操作も容易になるものの、タッチパネルを操作するとなると話は別。

いわゆるタッチスクリーンでの操作ともなると、直感的な操作はもちろんのこと、ブラインドタッチもできないですし、ほぼほぼ高確率で目視しなければ操作することは難しくなっています。

そんな物理スイッチレス&巨大タッチスクリーン化する車内について、アメリカのワシントン大学とトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)が共同研究し、「ドライバーが気を散らされた状態で運転とタッチスクリーンの使用をどのように両立させているか」を調査しました。


要は運転中にタッチパネルを操作したら、どのような運転結果となるのかを検証するというシンプルな内容

この研究では、参加者は車両シミュレーターを使って仮想的に運転しタッチスクリーンを操作。

このとき交通状況や、その他の気を散らす要因によって、要求される精神的努力を模倣した記憶テストを実施。

研究チームは、マルチタスク(複数の作業)を行うと、「運転」と「タッチスクリーンの使用」の両方に悪影響が出ることを発見しました(当然といえば当然ですが…)。

その結果として、タッチスクリーンを使用している間は、車線内での車線の逸脱が大きくなり、運転中の画面操作の速度と正確性が低下していたことも発覚。

記憶に関するタスクを追加すると、この影響はさらに増大することが判明しています。

今回の研究成果から得られる次なるステップとは?

これらの結果から、自動車メーカーが「より安全で応答性に優れたタッチスクリーンや車内インターフェース」を設計するのに役立つ可能性があるとのことですが、そもそも「運転中のタッチスクリーン操作を前提」にしているところは疑問。

あくまでも、「運転中のタッチスクリーン操作がどれだけ危険なのか?」を具体的に数値化することで、どれだけ危険性が高まっているのか?を明確するのであれば納得。

ただ、その研究結果の上で、運転中でも危険性を下げることのできるタッチスクリーンを考えていくというステップは、本当に「より安全」と言えるのかは少々疑問なんですよね。

なお研究チームは2025年9月30日、韓国・釜山にて開催されたACMユーザーインターフェースソフトウェアおよび、テクノロジーシンポジウムにて、今回の研究成果を発表。

今回の研究成果について、ワシントン大学のコンピューターサイエンス&エンジニアリング学部の教授であるポール・G・アレン氏は、「運転中に携帯電話/スマホを使用するのは極めて危険であることは誰もが知っています」と当然のことを話し、わき見運転の危険性を改めて説明。

今回の研究では、「瞳孔径」「皮膚電気活動」の2つが最も負荷が大きかった

加えて共同上級著者のジェームズ・フォガティ氏は、「先ほどの携帯やスマホでのながら運転に対し、車のタッチスクリーンはどうでしょうか? 私たちは、その相互作用を理解し、ドライバーに特化したインターフェースを設計したいと考えました」とコメントしています。

ただ、やっぱり個人的に疑問に思うのは、「運転しながらスマホ操作することも、タッチスクリーンを操作することも、何れもわき見運転もしくは危険運転に繋がるのでは?」ということ。

まるで運転中のタッチスクリーン操作をする「ながら運転を肯定する」かのような研究にも思えますが、今回の研究に参加した16名の被験者は、シミュレーターを運転する間、センサーが視線、指の動き、瞳孔径、皮膚電気活動を追跡し、特に最後の2つは、精神的な努力、つまり「認知負荷」が大きかったことが判明しています。
※集中しているときに瞳孔が大きくなる傾向があり、今回の研究でも、被験者にその傾向が見られた模様

2ページ目:どのような工夫がなされても、タッチスクリーンを用いての操作性向上は難しい?