【衝撃の検証】トヨタとワシントン大学が暴いた「大型タッチパネル」の危険性。画面を大きくしても操作性は向上せず…それでも物理スイッチを排除し続けるのか?
(続き)ワシントン大学とトヨタの共同研究による「運転中のタッチスクリーンの操作による危険性」
先ほどの研究結果のあとの続きを見ていきましょう。
今回の研究から、被験者は運転中、スマホのアプリやウィジェットを操作するのと同じように、12.3インチのタッチスクリーン上の特定のターゲットをタッチ操作することに。
被験者はこれを、「Nバック課題」の3つのレベルをこなしながら検証。

これは、2.5秒間隔で数字の列を聞き、特定の数字を繰り返す記憶テストで、参加者のパフォーマンスは、以下の条件で大きく変化したことが判明。
●タッチスクリーンを操作している際、参加者は車線内で左右に移動する頻度が42%増加。認知負荷の増加は結果に影響を与えることはなかった
●運転中は、タッチ スクリーンの精度と速度が58%低下し、認知負荷が高い場合はさらに17%低下した
●認知負荷が高い場合、タッチスクリーンを見る時間は26.3%短くなった
●記憶課題が導入されると、運転者がコントロールを見る前に手を伸ばす「手が目より先に動く」現象が63%から71%に増加した
以上のことから、研究チームはまた、「参加者が触れようとしている対象領域のサイズを大きくしても、パフォーマンスは向上しない」ことも確認。
つまり、スマホ程度のサイズ感であっても、12.3インチや14インチ程の大画面であっても、ドライバーの直感的な操作性は向上しないわけですね。
これについて、ワシントン大学・アレンスクール博士課程学生であるシーユアン・アラン・シェン氏は、「画面上で正確に操作するのが難しい場合は、通常はボタンを大きくすることになります。しかし、今回の場合は、タッチする前に手を画面に近づけるため、視覚的な探索に時間がかかるのです」と説明しました。
どのような工夫がなされても、タッチスクリーンを用いての操作性向上は容易ではない

これらの研究結果に基づき、研究者らは、将来の車載タッチスクリーンシステムでは、車内に搭載されたシンプルなセンサー(視線追跡センサーやステアリングホイールのタッチセンサーなど)を用いて、運転者の注意力と認知負荷をモニタリングする可能性があることを示唆。
これらのデータに基づき、車載システムはタッチスクリーンのインターフェースを調整し、重要な操作ボタンをより目立たせ、より安全に操作できるようにするかもしれませんが、それでも直感的な操作性であったり、操作するという物理スイッチならではの「感触」が無ければ、パフォーマンスの向上は難しいのでは?とも思うんですね。
物理スイッチには物理スイッチでしか得られない特徴や良さがある

なお、ワシントン大学情報学部のジェイコブ・O・ウォブロック教授は、「タッチスクリーンは今日、自動車のダッシュボードに広く普及しています。そのため、タッチスクリーンの操作がドライバーや運転にどのような影響を与えるかを理解することは非常に重要です」と説明。
その後、「私たちの研究は、この問題を科学的に検証した最初の研究の一つであり、これらのインターフェースをより安全かつ効果的にするための方法を示唆しています」と語りますが、改めてこうした研究結果を見て思うのは、なんだかんだで「物理スイッチが最も使い勝手が良い」ということ。
これはあくまでも私個人の考えではありますが、物理スイッチは以下のようなメリットがあるからこそ、事故の発生リスクなどを抑えることができるのでは?とも思っています。
●物理スイッチ特有の「形状」のおかげで、ブラインド操作ができる
→タッチパネル式だと、全てはフラットで特徴が無い●物理スイッチは「押した」という感覚が分かる
→タッチパネルは押した感覚が無く、タッチ音はあれどわかりづらい●雨などで濡れた手で操作しても反応するのが物理スイッチ
→タッチパネルは、手が濡れているだけで反応しないことが多い●物理スイッチは、エンジンした直後から操作できる
→タッチパネルは、エンジン始動してから数秒経過して、ようやく操作系が起動することが多いのでスピーディな操作ができない●物理スイッチが仮に故障した場合、そのスイッチだけを交換するば良い可能性がある(修理費を抑えられる可能性)
→タッチパネルの操作ができなくなった場合、タッチパネルを丸々交換する恐れが出て来る(修理費がとんでもなく高額になる恐れ)●物理スイッチには一つ一つに特徴的な形状や個性があり、それもまた満足度を高める理由の一つ
→タッチパネルには特徴的な形状や個性が無く、全てがフラット
1ページ目:運転しながらスマホ操作と、運転しながらのタッチスクリーンの同時操作は、何れも「ながら運転」と変わらないと思うが…?



