日産が新たな技術を公開。人間の汗を感知して脱水症状を未然に防ぐ機能を開発【動画有】

2022-06-29

欧州に拠点を置く日産が、オランダのデザインブランドDroogとの共同開発により、ステアリングとフロントシート(前席)に発汗を感知する繊維技術「SOAK」を開発。
「SOAK」は、手や衣服から伝わる汗がシートないしはステアリングの繊維に付着することで、脱水症状の有無を色で変化させ、ドライバに脱水症状の警告を与えるという画期的なシステムとなっています。


このシステムは、日産の現行ラインナップとなるコンパクトSUV「ジューク」にて現在試験中ですが、具体的にはドライバの汗から脱水状態であることが感知された場合にシートが黄色く変化するというもの。

適度な水分を補給し、付着した汗から脱水症状が検知されなくなれば、青色に変化するという極めてシンプルな技術となっています。

ちなみに、2015年に日産が行った調査によると、脱水症状を起こしたドライバが路上にて事故を起こす確率が2倍以上に跳ね上がるとし、これは血中アルコール濃度が0.08%以上を検知した場合と同じ数値を意味しているとのことで、いかに脱水症状を起こすことが危険であるかをあらわしています。

なお、ドライバーの約2/3は、疲労・めまい・頭痛・喉の渇き等が起因して、反応時間が遅れてから脱水症状が起きるということに認識していないとのことで、これについてNISMOのHarj Chaggar博士は、「多くのアスリートは水分補給に精通しているものの、スポーツをしない多くの人々は脱水症状が生理学的なパフォーマンスに及ぼす影響を認識していない。今回のような車に組み込まれた発汗感知技術は、ドライバに直接警告することで予防する革新的な技術である」とコメントとしており、日産の先進的技術の展開を大きく期待。

しかしながら、今のところこの技術が具体的に量産モデルに適用されるといった情報は特になく、あくまでも研究開発段階であることから、もしかすると量産モデルへの適用には至らない可能性もあるとのことですが、交通事故防止を目的とした画期的な技術の一つとして、一人でも多くの命を救うことができるのであれば、是非とも採用に向けてほしいところですね。