ランチア「ストラトスHFゼロ」がヴィラ・デステ2018に登場。フロントガラスを開けて乗降りする風変わりな仕様【動画有】

2020-05-26

1970年にトリノ・ショーにて衝撃の世界デビューを果たしたランチア「ストラトスHFゼロ」。
「ストラトス・シリーズ」の中でも、一番最初の試作段階として製造されたベルトーネ作(その後に「プロトーティポ」→量産モデルの「ストラダーレ」が開発)が、イタリアのコモ湖海岸にて開催されたコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ2018にて登場しました。
※「ストラトスHFゼロ」は、発表当時「Stratos limite」(イタリア語で成層圏の限界)とも名づけられていた


「ストラトスHFゼロ」は、マルチェロ・ガンディーニがデザインした中でも傑作とも言われ、これだけの非現実的なスタイリングを持ちながらも、自走可能とするために動力ユニットとなるエンジン(V型4気筒)やギヤボックス、シャシーを「フルヴィア・クーペ」から流用。
駆動方式は後輪駆動(MR)で、エンジンはミドシップ搭載となり、エンジン出力は115hpを発揮します。

そして一番気になるのが、その乗降り方法について。
この個体は、通常の車両とは異なりサイドから乗降りするのではなく、フロントガラスを兼ねたハッチを開閉します。
フロントに貼られている”LANCIA”のロゴ部分を開閉ノブとして開け、上下可動式のステアリングコラムを前に挙げてから、フロント前部にある黒いマットに足をかけるようにして乗降りします。

一見してかなり風変わりな乗降り方法となりますが、実際に車両に乗った後のフロントガラスはどのようにして閉めるのかは不明であるも、こういった不便さを押し出すところもイタリアらしいところ(非現実な乗り物であることを主張)。
ただ、こういった試作モデルを開発したことにより、当初ランチアが掲げていた「ラリーで勝てる車」には程遠いスタイリングとスペックであったため、そこまで大きく注目される個体ではありませんでした。

なお、この個体は2011年にRM Sotheby’sオークションにて、約9,900万円にて販売されましたが、今現在では更に倍の約2億円にまで上昇しているとのこと。

【LANCIA STRATOS HF ZERO: SPACESHIP at Villa d’Este 2018】

【1970 Lancia Stratos Zero: A crazy concept from the Wedge Era – Sound & Driving on the Streets!】

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Reference:autoevolution