ランボルギーニ最後のノンハイブリッドモデル「アヴェンタドールSVJ」。マクラーレン「P1 LM」のニュル最速記録を更新していた可能性も【動画有】

2020-05-26

「アヴェンタドールSVJ」には隠されたドラマが

ランボルギーニの最終ハードコアモデルでノンハイブリッドモデルとしては最後の一台となる「アヴェンタドールSVJ」。
今後の同社V型12気筒モデルはハイブリッドモデルへと移行され、いずれはオールエレクトリックモデル、そして燃料電池モデルへとシフトしていく流れとなりますが、今回ノンハイブリッドモデルとしてニュルブルクリンク市販車最速記録となる6分45.97秒をマークしたことは、とんでもない偉業であり、ある意味有終の美を飾ることができた究極の一台ではないかと思います。


そして、つい先日「アヴェンタドールSVJ」のオンボード映像と市販車両として2番目に速いポルシェ「911GT2RS」のオンボード比較動画が公開され、コーナリングや直線性の比較を行っている記事が見受けられていますが、それよりも最も注目すべきところは、「アヴェンタドールSVJ」は、「911GT2RS」のラップ記録はもちろん、”公道モデルとして本当に最速”ともいえるマクラーレン「P1 LM」の記録を更新できていたかもしれないということ。

「P1 LM」よりも”速い”「アヴェンタドールSVJ」

「P1 LM」といえば、レーシングモデル「P1 GTR」をベースに世界限定5台のみ公道仕様に改造された希少なモデルで、パワートレインとしては、排気量4.0L V型8気筒ツインターボエンジン+電気モータを搭載し、最高出力1,000ps/最大トルク1,050Nmを発揮。
この個体がニュルにて生み出したラップタイムは、6分43.22秒というとんでもない最速記録となりましたが、”限定5台のモデルを市販車両と呼ぶのはおかしい”ということで、あくまでも”公道最速モデル”として今でもニュルトップの座に君臨しています。

しかしながら、今回「アヴェンタドールSVJ」が生み出した”ノンハイブリッド&量産車”として最速の6分44.97秒は、実はまだ記録を大幅に更新できるほどの伸び代があったと言われています。
ニュルの19km~20km地点にあるDottinger Hoheにて、「P1 LM」が最速記録を生み出した321km/hに対し、「アヴェンタドールSVJ」は更に上を行く332km/hで更新していたことが明らかになっていて、ストレートの加速性が速過ぎることはもちろんですが、この個体を操作していたMarco Mapelli氏も、その加速の猛威によりアクセルを幾度かOFFにする場面が見受けられたんですよね。

もちろん、強力なダウンフォースを発生するリヤウィングを更に大型化すれば更にアクセルを踏み込むことはできたのかもしれませんが、それでもドライバの更なる磨き次第で、ニュルのランキングは十分に更新できる領域にまで来ているということがしっかりと確認できます。
※約3.5億円もする「P1 LM」の記録を、約6,000万円~7,000万円のノンハイブリッドモデル「アヴェンタドールSVJ」が更新できていたかもしれないと考えると、ちょっと鳥肌が…

パワーよりもコーナリングや走りに重点を置くことがポイント

ちなみに、「アヴェンタドールSVJ」の気になるパワートレインは排気量6.5L V型12気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力760hp(770ps)を発揮します。
ココからパワーウェイトレシオは1.98kg/hpというレポートがあるので、単純計算で車体重量は1,505kgを実現し、「アヴェンタドールSV」よりも20kgの軽量化に成功しています。
この背景には、追加されたダウンフォースを最大限に生かすために、再設計されたシャシーとフォージドコンポジッドを活かしたAerodinamica Lamborghini Attiva(ALA)技術等、あらゆる面で空力特性と軽量化できるポイントを徹底的に押さえ込んだことが主であると考えます。

今回のモデルは、パワーに頼るというよりも、全体のバランスの最適化するためにパワーをほんの少し向上させたと解釈しており、遂に直番長と謳われたランボルギーニも、フェラーリのような走りの技術にまで進化してきたんだなぁと目頭が熱くなります。

【Lamborghini Aventador SVJ “Jota” vs Porsche 911 GT2 RS 991 Nürburgring Nordschleife [4k Ultra HD]】

☆★☆「アヴェンタドールSVJ」関連記事5選はコチラ!☆★☆

ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」のニュル最速記録の瞬間をオンボードカメラにて。併せてパワーウェイトレシオ比は1.98kg/hpであることが判明【動画有】(2018/7/27投稿)
ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」のニュル公式記録は6分45.97秒であったことが発覚。おまけに特別な空力特性ALA搭載確定【動画有】(2018/7/26投稿)
ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」ティーザー映像第三弾公開。「最高のハンドリング性能を提供しよう」【動画有】(2018/7/26投稿)
ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」の追加ティーザ公開。ゴールドのエンジンカバー、パワーウェイトレシオは2kg/ps以下確定?【動画有】(2018/7/24投稿)
【公式発表】ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」がニュル市販車最速となる6分45.2秒を記録。ポルシェ「911GT2RS」を完全撃破!(2018/7/7投稿)

Reference:CARSCOOPS