アストンマーティンが来月の取引に向けて上場準備。企業価値約7,600億円を目指す

2020-05-26

アストンマーティンがいよいよ上場に向けて最終調整

アストンマーティンは、ロンドン証券取引所にて来月に公開される企業価値が約7,600億円であることを想定し、株式を上場する計画を発表しました。
株式公開(IPO)の約25%の株式を売買する計画にあるアストンマーティンですが、先週のロイター通信との会合にて、同社は株式売買注文をすでに受けており、価格下限は約5,860億円~7,000億円であるとし、10月3日前後の株式の終値を発表した後、10月8日頃にロンドン証券取引所に株式を上場する流れとなっています。


年間販売台数も上々、あとは関税に向けての対策をどうするか

なお、アストンマーティンCEOを務めるアンディ・パーマー氏は、株式上場について「企業の歴史の中で大きな節目になるだろう」と述べており、2018年の年間販売台数についても、当初想定していた台数よりも遥かに上回る6,400台が見込まれています。
ちなみに、来年の2019年には更なる新型車の登場も予定しているため、これらを踏まえるとランボルギーニが目標に掲げていた7,000台を超える7,300台に到達する可能性を秘めており、中期的な計画としては年間14,000台を生産できるだけの体制を整えているとのこと。

加えてアストンマーティンは、今後販売されるモデルの価値を高めていくために、サプライヤの多くが欧州連合(EU)に位置しているため、製造コストが大きく掛かってくることが予想されています(更には全ての車両に関税を課される可能性…)。
なお、これは以前からも話題に挙げられていますが、もしもEUが域外関税の10%を適用してしまったら、イギリスの自動車産業は壊滅的被害を被ることになり、これまでライバル視してきたフェラーリやランボルギーニよりも圧倒的に高額なモデルになり売れなくなる可能性が一気に高くなります。

これの対策として、イギリスと欧州間の現在の自由貿易協定が成り立っている間、アストンマーティンはエンジンと他のコンポーネントの供給を構築するために、例えば5日分の製造に必要なエンジン在庫をイングランド中部のウェルズボーンにある大規模な倉庫に蓄えておけるようなストック材料を保持する考えをもっているとのことですが、これについてはまだまだ楽観的な考えがあるとして、更なる対策を講じていく必要がありそうです。

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Reference:CARSCOOPS