何とオーナーは日産自動車!リバースエンジニアリング目的で購入したポルシェ959が競売に出品→「4,000時間」にも及ぶレストア→予想落札価格は約5.6億円

日産スカイラインGT-R R32開発のヒントにもなったというポルシェ959

ポルシェが1986年~1993年に生産したという特別モデルの959(Porsche 959)。

このモデルは生産車にフィードバックすべき技術のトライアルモデルとして1986年から限定生産された特別モデルで、当時のグループBホモロゲーションを取得するため、200台のみの生産予定でスタートしたプロジェクトなのですが、予想をはるかに上回るオーダーに少しでも応えるために増産されることとなり、最終的には283台が生産されたとのこと。

そして今回、この希少な959が競売に出品されるとして注目度を集めていますが、過去の購入元が意外にも「あの有名な自動車メーカー」であることも明らかになっています。


名門カネパによってカスタマイズ&レストアされた貴重なポルシェ959

こちらが2024年3月1日~2日に、ブロード・アロー・オークションズにて出品予定となっている1988年式のポルシェ959 SC Reimagined by Canepa。

今回出品される959は、特別なカスマイズが施された希少モデルで、アメリカの名門レストアラー&カスタマイザーであるカネパによって作られた1台。

959 SC Reimagined by Canepaプログラムを通じて徹底的な変革が行われたとのことで、シャシーナンバーは「WP0ZZZ95ZHS900022」と早いタイミングで製造されています。

ちなみに、959シリーズ自体は283台のみ製造されたと云われていますが、この959 Komfortシリーズは266台のみ生産されたとの説もあるものの、何れにしても生産台数の少なさから考えると、とんでもないプレミア価値が付いていることは間違いなさそう。

当時の走行距離は、1,000マイル(約1,600km)未満と非常に少なく、ボディコンディションも申し分ない新品同様の輝きを持っていましたが、その前に”とある自動車メーカー”が購入しています。

実は日産自動車がリバースエンジニアリング用として購入していた

オークションサイトに掲載されているオリジナル文書を見ていくと、どうやらこのモデルの購入元は、ベルギーの販売代理店及びディーラーを通じて、日本の自動車メーカーである日産自動車が購入していることが明らかに。

購入目的としては、既存製品を分解または解析し、その仕組みや仕様、構成部品、技術や設計などを明らかにするといったリバースエンジニアのためとのことですが、主に注目したポイントは「四輪駆動[AWD]システム」だそうで、研究開発のために広く活用されたそうです。

ポルシェ959の四輪駆動システムをヒントに、日産スカイラインGT-R R32が誕生

日産は、ポルシェ959から学んだ教訓として、後にスカイラインGT-R R32に搭載される最新デバイスとなる電子制御トルクスプリット4WD「アテーサE-TS」を採用。

日産がR32を完成させた後、ポルシェ959は購入当時の姿に戻され、エンジニアの一人に売却 → アメリカに輸出されるまで保管されていました。

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