映画「ワイルド・スピード」でレティ役が乗っていた日産240SX(シルビア)が「23年ぶり」に発見→数奇な運命で廃車置き場にて放置され、後日スクラップに

映画「ワイルド・スピード」に登場する日本製スポーツカーは、プレミア価値が付いて様々なオーナーの手に渡ることが多いのだが…

2001年より公開されたカーアクション映画「ワイルド・スピード」。

俳優の故ポール・ウォーカーやヴィン・ディーゼルなどが起用され、アメ車や日本車、イタ車といった様々なスポーツカー/スーパーカーが登場する車好きにはたまらない作品ですが、今回その映画に使用された車が、約23年ぶりに廃車置き場にて発見され話題となっています。

その車は、ヴィン・ディーゼルが演じるドミニク・トレットの当時恋人だった、ミシェル・ロドリゲスが演じるレティ・オルティスの愛車である日産240SX(シルビアの輸出仕様)。

一体どのような姿で発見されたのか?なぜ廃車置き場にて発見されたのか?も含めてチェックしていきましょう。


フロントバンパーやタイヤホイールが外された状態で発見された240SX

こちらが、レティ・オルティスが乗っていたという1997年式の日産240SX(ボディカラーはシルバー)。

前述にもある通り、本モデルはシルビアの輸出仕様で、2001年に最初に公開された映画「ワイルド・スピード」での重要なモデルになりますが、今回発見された場所が廃車置き場とのことで、後日スクラップの対象になるとか。

当時、この車は映画の撮影用として3台準備されたそうで、3台のうち2台は「スタント1」「スタント2」と呼ばれ、主に追跡シーンやドラッグレースなどのスタントに使用されました。

3台目は予備として準備されたものですが、特に3台目に関しては、撮影終了後に本来のオーナーであるジェームス氏に返却しなければならなかったため(つまりは他人の所有物をレンタル)、曲がりや凹みのない最高のコンディションに保つよう、撮影陣が厳しく管理していたとのこと。

ちなみに、今回廃車置き場にて発見された個体は、元オーナーであるジェームス氏が所有していた240SX。

スタントカー用として準備された個体含め、全て純正のパワートレインが搭載されていましたが、3台とも全く同じであるようにカラーリングやラッピングが施工されていました。

但し、製作スタッフがオーナーであるジェームス氏からレンタルした3台目のメインカーに関しては、従来のエンジンを特別にチューニングして最高出力400hpを発揮するハイパフォーマンス仕様へとアップデートされていたそうで、エンジンサウンドや加速フィールは全くの別物だったそうです。

本映画では、レティの240SXをヒーローカーのように見せるためにジール(ZEAL)のボディキットが取り付けられ、シルバーのボディカラーからパープルに全塗装されました。

しかし、当時の撮影機種のフィルターやカラーグレーディングにより、明るいマゼンタに見えたこともあり、本モデルを実際に生で見た誰もが、映画で公開された車両と「全く同じ色に見えなかった」とも云われています。

2ページ目:そもそもスタントカー用として準備された3台の240SXは、どのような経緯で準備されたもの?3台目の個体は悲しい結末に