一体なぜ?ゼレンスキー大統領の妻であるオレーナ・ゼレンスキーが「世界限定250台のブガッティ・トゥールビヨンを購入した」とのフェイク情報が拡散

ロシアメディアが直接何の確認もせずに、何らかの目的で拡散したフェイク情報の可能性も?

ブガッティが2024年6月21日に世界初公開した、世界限定250台のみ&約6.5億円もする新型トゥールビヨン(Bugatti New Tourbillon)。

排気量8.0L W型16気筒クワッドターボエンジンから、排気量8.3L コスワース製V型16気筒自然吸気エンジン+3基の電気モーターを搭載するプラグインハイブリッド(PHEV)へと変更された、システム総出力1,800hpを発揮するハイパーカーです。

日本には4台が納車される予定で、キャンセルなどが入れば更に納車される可能性があります。

そんな超高額モデルとなるトゥールビヨンを、ウクライナ大統領であるウォロディミル・ゼレンスキーの妻、オレーナ・ゼレンスキーが購入した!との情報がロシアメディアより配信・拡散され話題となっているようです。


ブガッティ公式も「明らかなフェイクニュースだ!」と否定する事態に

ロシアの分かりやすいフェイクニュースは今に始まったことではありませんが、今回はその中で最も奇妙なもので、ロシアの国営ニュースサイトが「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の妻であるオレーナ・ゼレンスキーが、ブガッティ・パリのディーラーにてブガッティ新型トゥールビヨンを購入した」という明らかなフェイクニュースを広めていたことが判明。

名指しされたブガッティ・パリの正規ディーラーはSNSインスタグラムにて、これを正式に否定し、声明の中で「このプロパガンダを推進した関係者に対して法的措置を取る」と述べています。

元々のフェイク情報を発信したのは、フランス語のウェブサイト

イタリア人ジャーナリストであるデビッド・プエンテもX(旧Twitter)にて指摘しているように、「今回のニュースは、”フランスの隠された真実”を意味する、フランス語のウェブサイト・Verite Cacheeから流れてきたもの」と説明。

加えて同氏の説明によると、このサイトは、フランス選挙を前に2024年6月に開設されたばかりで、AIが生成した低品質の親ロシア派コンテンツで溢れていることが明らかになっています。

このサイトを経由して、車の請求書と偽ったものや、「ブガッティディーラーの従業員」を名乗る人物が、「ゼレンスキー氏にトゥールビヨンを販売した」と発表するディープフェイク動画がインスタグラムに投稿されています。

フランスのニュースサイトの情報を、ロシア国営通信社がそのまま引用

その後、このサイトのニュースはロシア国営通信社のリア・ノーボスチによって取り上げられているとのことですが、ロシアは明確な取材もせずに、情報を鵜呑みにしてそのまま掲載した恐れがあるとのこと。

なお、ウクライナのフェイク情報対策センター・@CforCDはX(旧Twitter)にて、これらの主張は明らかに虚偽であると指摘していて、またこれらの主張はゼレンスキーが出席する、2024年7月中旬のワシントンDCでのNATO首脳会議に合わせて行われたと推測しています。

2ページ目:ブガッティ・パリがSNSにて正式に否定した声明文の中身は?