やっぱりEVは怖いな…アウディ新型e-Tron GTが正規ディーラーにて爆発し炎上。原因不明ながらも過去に「火災恐れ」で2件のリコールを届け出
ピュアEVの火災はよく聞くが、ディーラー内での火災は極めて珍しい
アウディがラインナップするピュアEVスポーツカーのe-Tron GTが、アメリカのアウディディーラー内で燃えたとして大きな話題に。
これはアメリカ・インディアナ州のアウディ正規ディーラーにて発生したもので、整備工場内にて点検していたe-Tron GTが突如として爆発・炎上したとのこと。
しかもこのモデル、リフターの上に載せていたので、リフトをすぐに下降させることができず、消防士たちも簡単に消火活動に取り組むことができなかったそうです。
スプリンクラーのおかげで火災被害は最小限に抑えられた模様
こちらが今回、整備工場内にて爆発・炎上してしまったe-Tron GT。
タイヤホイールを外した状態でリフターで上げてしまったので、地元カーメル消防署によると、消火してからの処分がとても大変だったと説明しています。
こちらは事故直後の画像の一部(カーメル消防署の公式SNSより)。
アウディディーラーにて、整備中のe-Tron GTから火災が発生したため、すぐに火災警報が鳴り、スプリンクラーが作動。
スプリンクラーは、火の拡大を防ぐのに役立ったものの、消防作業員は「メンテナンスエリア全体に濃い煙が充満したため、とても危険な状態だった」と語っています。
視界不良で消火作業は困難かと思われましたが、消防隊は”ほぼ”火を消し止めることができたものの、消防局曰く「リチウムイオンバッテリーの火災は、熱暴走のため完全に消火するのはほぼ不可能」である説明。
リフターから降ろしてタイヤを装着するシュールな一面
消火活動が何とか完了したあと、本来であれば牽引などで車両を移動させるのですが、前述の通りリフターに上げてタイヤホイールを外していたため、故障したリフターから降ろすのも大変ですし、降ろした状態から簡易ジャッキ？を使ってタイヤホイールを装着しているため、この作業だけでも大変だったとのこと(タイヤの装着は整備士が行った可能性もありますが…)。
タイヤを装着したあとは、荷台に載せて移動することに。
画像を見てもお分かりの通り、炎上してしまったe-Tron GTは修復不可能のため、平床トラックに積み込まれ、そのまま解体場へと運ばれていきました。
ちなみに火災で被害を受けたディーラーは、今回のような被害拡大を避けるために防火壁を採用していたため、ショールームなどにまで火災が広がることは無かったですし、整備士などのスタッフも無事ではあったものの、他の工具類や一部の車種にも火が燃え移ってしまったとのこと。
カーメル消防署曰く、今回の火災事故を最小限に抑えてくれたのはスプリンクラーのおかげであり、これが無かったら更に大変なことになっていたと説明。
アウディは直近にて、e-Tron GTが「燃える恐れがある」としてリコールを届け出済
なお事故の原因は不明なままですが、e-tron GTは火災の懸念から何度もリコールを届け出しています。
直近だと2024年3月に1,042台の車両を対象に「高電圧バッテリーがショートして火災を引き起こす恐れがある」としてリコールを届け出済ですが、今回のe-Tron GTが改善措置を実施した後だったのかは不明ながらも、もしも新たな不具合の発端になるのであれば、再びリコールが届け出されることも考えられるかもしれませんね。