メルセデスベンツ責任者が自社デザインを批判「ラグジュアリーなモデルほど巨大ディスプレイを搭載するのは間違い。アンビエントライトなんか下品でクラブハウスみたい」
ディスプレイの巨大化は一種のトレンドになっていたが
過去これまで、欧州の自動車メーカーをはじめとする高級車については、素材の品質と、それらが如何にしっかりと組み合わされているかが重要なポイントになっていました。
ただその一方で、大排気量エンジンは主力モデルにしか搭載されていなかったため、エンジンも大きなセールスポイントだったことは確かですが、2025年に入っても、上位に食い込む自動車メーカーは「巨大なディスプレイ、巧妙なソフトウェア、その他のガジェット」で互いに競い合おうとしています。
しかしながら、こうしたなかでメルセデスベンツは、「高級車はスクリーン/ディスプレイオーディオを中心に展開すべきではない」と自社のデザインや技術を否定しつつ解説しています。
「巨大ディスプレイを搭載するモデルが贅沢品」という考え自体が間違っている模様
海外メディア・ABC ニュースが、メルセデスベンツのデザイン責任者であるゴードン・ワグナー氏にインタビューを行ったところ「巨大スクリーンは”贅沢品”、すなわちラグジュアリーの要素ではない」と語ったとのこと。
加えて同氏は、「ダッシュボードに多数のディスプレイを詰め込むことは、今では目新しいことではなく、どの車にも大きなスクリーンがあると認識している」と説明。
確かにメルセデスベンツに限らず、アメリカの電気自動車メーカー・テスラや、中国の自動車メーカーBYDも、エントリーグレードでも大型ディスプレイを搭載していることがわかります。
ちなみに先ほどのコメント、メルセデスのピュアEVフラッグシップモデルであるEQSシリーズなどの車に搭載されている”56インチ”のトリプルディスプレイ「ハイパースクリーン」を大々的に宣伝した、同社の最高デザイン責任者の言葉であることに留意してほしいところ。
そして、「巨大ディスプレイ=ラグジュアリーモデルに搭載される」という考え自体が、そもそも間違っているというのも意外な指摘だと思います。
日本の自動車メーカーは、「上級モデル=巨大ディスプレイオーディオ」を搭載しているイメージだが
ただし、ここで注意してほしいのは、今回の説明はあくまでもメルセデスベンツのデザイン責任者の考えであり、これが他の自動車メーカーにも当てはまるとは言い切れないということ。
例えばトヨタの場合、エントリーモデルだと8インチ~10.5インチのディスプレイオーディオが搭載され、ミドルサイズグレードになってくると9インチ~12.3インチのワイド型ディスプレイオーディオに拡大され、ラージサイズやフラッグシップモデルになると14インチディスプレイオーディオが搭載されるような仕組みになっています。
ただ必ずしも、上記の内容が全てのモデルに適用されるのか?といわれると同じではないのですが、少なからず日本の自動車メーカーの場合だと「フル液晶メーター」「巨大ディスプレイオーディオ」をイメージさせるモデルは、「高価格帯のモデル」「上位グレードに搭載されるもの」といったイメージが少なからずあるため、この点はメーカーによって考え方や価値観が異なる所なのかもしれません。