三菱ディーラー「もう限界です。新型アウトランダー以外に売る新車がありません…一刻も早く三菱は新型車を導入してください」→三菱はお門違いな対応で販売店から反感を買うことに?

アウトランダーの改良型で勢いが付いているのかと思いきや、実はそうでもなかった三菱

2025年2月下旬、三菱のアメリカ法人がビッグマイナーチェンジ版・新型アウトランダー (Mitsubishi New Outlander)を発表・発売し、その後、マイルドハイブリッド(MHEV)やトレイルエディション、ラギットエディションなどの発売も視野に入れていることをお伝えしました。

三菱は国内だけでなく、海外でも高い人気と需要を継続しているようにも感じられたのですが、どうやらアメリカの三菱ディーラーでは「大きな問題」を抱えているようです。


三菱ディーラー「売る新車が無い…中古車を売るのも精一杯だ」

海外カーメディアAutomotive Newsの報道によると、三菱はSUVのアップデート・改良に注力することで開発コストを最小限に抑え、更にルノー・日産との提携を活用することにより、可能な限り新車・新型車をラインナップしていくと説明。

日産とホンダの経営統合・合併案で状況が好転するだろうという期待もありましたが、それが頓挫したことで、アメリカの三菱ディーラーでは苛立ちを募らせているとのこと。

三菱のラインナップモデルは全般的に古い

そこには複数の問題が絡んでいて、アウトランダースポーツは2011年まで遡り、エクリプスクロスは最後にデザイン変更されたのは2021年なので、三菱のラインナップモデルの時代遅れ感は否めないのが正直なところ。

一方、同ブランドで2番目に売れているサブコンパクトカーのミラージュは、2025年に入って生産中止となり、在庫は2025年夏までになくなる見込みで、アメリカ市場では代替品が登場する予定は無いと言われています。

メーカーよりも販売店が危機感を持つ現状

つまり、三菱は他メーカーのように積極的に新車・新型車を導入する動きが見られず、こうした三菱の消極的な姿勢に対してディーラー側は不満を持っているとのこと。

こうした不満や懸念から、北米三菱ディーラーの上層部が三菱アメリカ法人CEOであるマーク・チャフィン氏と、三菱CEOの加藤隆雄 氏に手紙を送っているそうで、会社幹部の注意を引こうとしているほど。

北米三菱ディーラーの利益率は雀の涙程度

それだけ販売店も大きな危機感を抱いていることは間違いなく、「ディーラー組織が新車販売に関与し続けるためには、迅速な行動が必要だ」とAutomotive Newsにも回答しており、実際にこの内容についても三菱の経営陣には手紙で伝えているそうです。

この他、全米自動車販売店協会の三菱グループのディーラーから提供された情報によると、利益は減少しているそうで、2023年のディーラー利益の平均は売上高の僅か2.2%。

2024年には、わずか0.92%に大幅に減少し、中西部においては三菱の店舗15店のうち4店が1年で廃業したと報告されていて、別の店舗では月に80,000ドル(日本円に換算して約1,200万円)の損失が出ていると述べています。

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