豪州トヨタが新型ランドクルーザー70の生産を「8か月間も停止」することが判明!一体なぜ生産停止するのか?停止期間中の販売はどうなるのか?

海外向けに関する情報は相変わらず多めだが、日本市場向けに関する情報はほぼ展開されないトヨタ

トヨタの旧世代プラットフォームや技術を40年以上使い続けているランドクルーザー70 (Toyota Land Cruiser 70)。

日本国内では、2023年11月に再再販モデルとして一部改良され、予防安全装備のアップデートや、LEDヘッドライトの標準装備、更にはパワートレインがランクル250/ハイラックスと同じ排気量2.8L 直列4気筒ディーゼルターボエンジンにダウンサイジングされました。

日本市場では、コアなランクルファンからの支持によって売れている一方で、「いつ納車されるかわからない」レベルで長納期化しています。

こうしたなか、同じように安全装備のアップデートや丸目のLEDが採用されているオーストラリア市場向けのランクル70にも新たな動きがあり、どうやら長期間生産停止になることが判明しています。


どうやらアドブルーを搭載して再販されるようだ

オーストラリアのカーメディアDriveの報道によると、オーストラリア市場向けとして販売されているランクル70ですが、どうやら2025年後半より「8か月の生産停止」がアナウンスされているそうで、その理由としては「オーストラリアで今後施行される厳しい排気ガス規制に準拠するため」とのこと。

また、今後導入される新車効率基準(New Vehicle Efficiency Standard:NVES)とは異なる新しい規則により、排気量2.8L 直列4気筒ディーゼルターボエンジン[4WD]を搭載するランクル70に関しては、2026年に生産再開される際にアドブルー(AdBlue)排気添加剤の使用が義務付けられる可能性があるとのこと。

ランドクルーザー70がクリアしなければならない法規制の中身がかなり厳しそう?

つまり、2026年モデルからはアドブルー搭載車両として販売される可能性が高いわけですが、これによる燃費性能や車両本体価格の値上げなどが考えられるものの、どの程度の値上げとなるかは不明。

繰り返しにはなりますが、トヨタのオーストラリア法人に対して、オーストラリアカーメディアDriveが取材を進めた結果は以下の通り。

●オーストラリア向けランドクルーザー70シリーズの全モデルの生産を、2025年9月から8か月間停止

●生産停止の慰留は、新ユーロ6排出ガス規制に適合するよう車両をアップグレードするため

●ランクル70シリーズに適用される新しい排気管排出ガス規制は、「ADR 80/04」として知られており、これは事実上、海外市場でしばらく前から使用されているユーロ6「ステージ C」となる

●「ADR 80/04」は、車両総重量が3,500kgを超える大型車両に適用され、2024年11月1日に新しく導入されたモデルに対して発効されている

●ランクル70は、新安全規則を回避するために2022年に車両総重量が3,550kgに増加したため、ランドクルーザー70シリーズは現在、正式には「中型貨物車」である軽トラックに分類されている → これは大型車両の一種であり、トヨタは「ADR 80/04」に準拠する必要がある

●2025年11月1日からは、新発売のモデルだけでなく、基準を満たすオーストラリアに輸入されるすべての新車が対象

●「ADR 80/04」は、今年導入された新車効率基準(NVES)とは異なる

●新車効率基準(NVES)は、新車が排出する可能性のある他の種類の有害ガスに制限を設けるのではなく、販売する車両の平均CO2排出量に基づいて自動車メーカーに罰金を科すもの

●生産停止は、最後のV8エンジン搭載のランクル70シリーズ[4WD]が生産ラインから出荷される予定の翌月から始まる予定

●トヨタオーストラリアは、生産停止期間中にランクル70の在庫が無くならないように追加発注済み(つまり一時的な販売停止にはならない模様)

以上の通りとなります。

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