シボレーが「コルベット史上最強にして最狂」な新型コルベット ZR1Xを世界初公開。V8ターボ+ハイブリッド+AWD化で1,250馬力を発揮するハイパーカーに
シボレーが「コルベット史上最強のコルベットZR1X」を世界初公開!
2025年6月18日、アメリカの自動車メーカー・シボレーが、2ドアスポーツクーペでお馴染みとなるコルベット (Chevrolet New Corvette C8)をベースにしたハードコアモデルとなる、新型コルベット ZR1Xを世界初公開しました。
このモデルについてシボレーは、「コルベット史上最強のコルベットであり、地球上に着陸した四輪駆動車としてはトップクラスだ」と自信を示しています。
当初このモデルは、ロシア生まれのコルベット創始者であるゾーラ・アルクス=ダントフ氏に敬意を表し、「コルベット ZORA (ゾーラ)」という名称で登場するはずでしたが、なぜか「ZR1X」という名称が採用されました。
なぜ”X”が採用されたのか、シボレー公式は発表していないものの、そもそもどのようなスペックを持つのか早速チェックしていきましょう。
「力こそパワー!」を体現するZR1Xならではのスペックを見ていこう
こちらが今回、シボレーより世界初公開された新型コルベット ZR1Xのエクステリア(シボレー公式ニュースリリースより引用)。
シボレー幹部によると「”X”のシグネチャーは、Z-in-Zoraほどロマンチックで印象的なものではないものの、独立したモデルではなく、ZR1ファミリーの自然な進化形である」ことを強調しているとのこと。
あるいは、これは単なる憶測ではあるものの、独立した「より魅力的」で、「よりコレクター向け」のモデルと言え、標準のZR1のエモーショナルさを維持しつつ、そして購入者の感情やプライドを傷つけないための隠れた上位モデルという意味合いなのかもしれません。
ZR1とE-Ray共通のLT7型大排気量エンジンがベース
改めてエクステリアを見ていきましょう。
コルベット ZR1Xには、巨大リアウィングを装着するモデルとそうでないモデルに分かれますが、何れも共通しているのはパワートレイン。
本モデルには、ZR1とE-Rayに採用される排気量5.5L LT7型V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、エンジン出力のみだと1,064hp/7,000rpm、エンジントルクのみだと1,123Nm/6,000rpmを発揮。
なお、これだけのエンジンスペックを実現するためには、LT7型エンジンに76mmのツインターボシステムや、鍛造フラットプレーンクランクシャフト、そしてフィンガーフォロワー式ドライブトレインの採用が必要。
そして、ZR1やE-Rayのエンジンから更なる進化を遂げるため、よりシームレスで圧倒的なパフォーマンスを実現しているとのこと。
ノンハイブリッドではなく、E-Rayと同じハイブリッドシステム×四輪駆動[AWD]を採用
あと、ここで注目してほしいのが、コルベットシリーズとしては「初」となる四輪駆動システムを採用した、コルベット E-Rayの技術が採用されていること。
E-Rayの場合だと、1.9kWhのバッテリーパックと電気モーターを搭載することで前輪に160hpを供給しますが、ZR1Xの場合は、バッテリーパックやモーターサイズ、パッケージ形状はそのままに、186hpのモーター出力と、197Nmのモータートルクを発揮。
これにより、モーターのみでの最高時速は264km/hまで向上するそうで、それよりも上の速度になると、モーターは自動的に切り離され、エンジンのみで加速していくシステムとなっています。
あとは、エンジンパフォーマンスとモーターのパフォーマンスを組合わせることにより、システム総出力は1,250hp/システムトルクは1,320Nmを発揮するため、アメリカンマッスルカーやスーパーカーの域を超えた、ハイパーカークラスのスペックへと大幅アップすることに。
こうしてスペックだけを見ると「相変らずシボレーはぶっ飛んだことしてるなぁ」という印象を持つ一方で、”ZR1”で四輪駆動[AWD]という組み合わせは見たことがないため(そのすべてが後輪駆動[RWD]だった)、シボレーにとってもこれまでにない初の試みであり、未知の世界へと踏み込んでいることから”X”を使ったのかもしれませんね。
※「X」は、未来や未知の可能性を表す言葉としても使われることがある
コルベットZR1Xでは、3種類のパワーバランスに調整することが可能
続いて、コルベット ZR1XのCPUにおいては、ドライバーの操作と車両の状態を常に監視し、パワーバランスを最適化。
また状況に合わせて3種類のエネルギー戦略を選択でき、ドライバーは、ロングラップセッションに適した「エンデュランスモード」、トップラップタイムを目指す「クォリファイイング(予選)モード」、そして利用可能なパワーを全て素早く供給する「プッシュ・トゥ・パスモード」を選択することが可能となっています。
2ページ目:新型コルベット ZR1Xのパフォーマンスはまだまだこれだけじゃない!ブレーキディスクは中型セダンのホイールサイズよりも大きい?!