トヨタGR86/スバルBRZエンジンブロー問題に終止符!致命的な「右コーナー油圧低下」は社外メーカーの大容量オイルパンで解決へ!スバルが2025年11月の工場出荷目途を更新
2023年に何かと話題になったGR86/BRZのエンジンブロー問題に、ようやく終止符
トヨタとスバルの共同開発モデルとなるGR86/BRZ。
スバル製プラットフォーム(SGP)と水平対向4気筒自然吸気エンジンを搭載する、後輪駆動[FR]ベースの2ドアスポーツクーペとして登場し、手ごろな価格で購入できるのが最大の魅力です。
そんなGR86/BRZにて、2023年より度々話題となったのが「サーキット走行におけるエンジンブロー問題」。
この問題について、2023年に車系YouTuberの900BRZチャンネルが、様々な視点から検証・分析、そして解決策に至るまでの動画を公開し大きな話題となりました。
現行GR86/BRZと、旧世代BRZで比較走行を行った結果、潤滑油の供給が低下することが判明

これは前回の記事でも紹介しましたが、900BRZチャンネルが公開した動画では、2022年モデルの現行BRZ/GR86と、2017年モデルのBRZで比較走行を行ったYouTube動画を公開。
900BRZチャンネルが公開した動画では、様々な検証・分析などを行った結果、サーキット走行中の特定の操作中において「潤滑油の供給が低下する」様子が記録されていました。
しかも、Gが掛かる高速「右」コーナーでフルスロットル、エンジンを高回転で作動させたところ、現行GR86/BRZ共に「油圧の低下」が顕著に表れました。

900BRZチャンネルでは、初期テストに基づき、現行GR86/BRZの車両(影響を与えていたRTVシーラントの問題はチェック済み)のオイルポンプピックアップチューブにて、オイル不足が発生しているという仮説を立てました。
このことから、以下2つの問題が可能性として浮上。
➀高いGでの運転操作によって、オイルがエンジン下部のオイルパンに流れ込む代わりに、タイミングカバーに押し込まれていた可能性
②ピックアップチューブの非対称な配置によって、オイルがパンの反対側に溜まっていた場合、ピックアップチューブの効率が低下していた可能性
メーカー純正ではなく、社外パーツメーカーが対策品を開発!

これらの問題において、アフターパーツメーカーのVerus Engineering社が、結果を裏付けるリアルタイムテストデータを用いて、純正オイルパンの油圧問題をほぼ解決できると思われる「3Dプリントアルミ製オイルパン」を開発。
アフターマーケット版では、オイルの跳ね返りを抑えるためにバッフルが使用されていますが、問題の根本的な解決策は比較的シンプルで、システムのオイル容量を増やすだけでした。
Verusのオイルパンは「1.7クォート(約1.L)の追加オイルを収容できるため、純正オイル容量は「5.3クォート(約5.0L)から7.0クォート(約6.6L)」へと大幅に増加。
なおオイルパンキットには、高Gコーナーでのオイル不足をさらに軽減するバッフルも含まれています。
3Dプリントによるアルミ製オイルパンのメリットとは?

なお、3Dプリントの多くの利点の一つは、非常に洗練された形状や複雑なデザインを実現できるということ。
Verus製のオイルパンは、その好例で、特徴的な三角形の形状が水平対向4気筒エンジンの純正エキゾーストヘッダーにぴったり収容され、排ガス規制への適合性を維持したいドライバーに最適。
更に、HKSターボキットや一部の不等長キャタライザーレスエキゾーストヘッダーと互換性があるため、サーキット専用モデルでも大容量オイルパンを活用できます。
対策品での試験の結果、油圧問題は大幅に改善

対策品が完成した後、効果を確認するためにVerus社は900BRZチャンネルと協力して、オイルパンの設計を共同で進め、2回目の設計変更にも取組むことに。
その結果、容量がわずか1クォート(約0.9L)しか増加しなかったにもかかわらず、油圧の問題は大幅に改善。
なお900BRZの公式ウェブサイトでは、精密に形状が描かれたオイルパンの懸念事項の一つとして、取り付けに排気ヒートシールドを取り外す必要がある点についても触れられています。
今回の独自テストでは、オイルパンが深くなったことで過度な熱による浸食は発生しないことが示唆されていて、日常の運転でもエンジンオイルが適切な温度に達するように、外部オイルクーラーを覆う必要さえあるほど。
まさか、こうした対策品をメーカー純正ではなく社外パーツや自動車系YouTuberによって作られるとは予想もしておらず、走りやエンジンにプライドを持っているであろうスバルが先を越されてしまって良いのだろうか…というのが正直なところ。
ちなみに、2025年5月にスバルBRZ及びトヨタGR86が一部改良版を発表・発売しており、その改良内容は以下の通り。
エンジンの点火系回路を改良し、万が一、本回路に故障が生じた場合でも、故障した回路に関係する気筒のみを停止することで、安全な場所への退避走行が可能。
via:Subaru
いわゆるエンジンブローの根本的な対策は出来ていないと思われ、このまま徐々にフェードアウトし、トヨタはトヨタで自社開発エンジンを搭載する次期GR86を、スバルも独自開発による次期BRZを発売する方向で話を進めているのではないかと予想されます。
