ブガッティ新開発の3Dプリンタ製ブレーキキャリパの耐久テスト動画が公開。400km/hからの急停止と温度にも耐え得る技術力【動画有】

2022-06-29

遂に3Dプリンタ技術を駆使したブレーキキャリパのテスト開始

ブガッティといえば先日、フォルクスワーゲングループ・ヴォルフスブルクの主要生産施設に新しい工具製造センターを開設し、そこでHPと協力して開発された”最先端の3Dプリンタ技術”を駆使した、大量生産にも適応可能とするブレーキキャリパのプロトタイプを製造しました。


3Dプリンタだからといって侮ってはいけない

今回製造された3Dプリンタ製ブレーキキャリパを用いて、将来的にブガッティ「シロン」へと装着可能とするための超絶厳しい耐久試験を実施した動画が公開されています。
この動画では、ブガッティエンジニアがディスクとブレーキパッドを備えた単一のキャリパーを使って、約400km/h相当までシミュレートできるスタンドに取り付けることで、実際に最高速度まで回転させ、そこからほぼ停止できるまで急ブレーキをかけていくシーンが確認できます。

しかも、最高速からの急ブレーキ時に摂氏1,000℃(華氏 約1,832℃)に達するため、その超高温にも耐え得る性能を持つかも確認されています。
実際に以下の動画では、その温度にも耐え得るだけの性能を持ちますが、後は様々な条件の中でも十分な性能を発揮できるかの耐久試験をクリアできれば、ブガッティのブレーキの品質も格段に向上することが証明されるとのこと。

但しこのブレーキキャリパの製造は非常に複雑だ

なお、このブレーキキャリパを生産するには45時間以上かり、チタン粉をいれて400ワットレーザー×4本にて溶解する流れとなります。
3Dプリンタでは、構造体が完成するまでに2,313箇所を加工し、その次にコンポーネントを熱処理して、最後に5軸ミルにて全ての面の機械加工を行うことで仕上げていきます。

こうしてみると、3Dプリンタ製ブレーキキャリパってただ単に加工が複雑になっただけじゃないの?と思いがちですが、最大のメリットはやはり軽量化にあり、従来「シロン」に装着されているチタニウムを使用すると約4.6kgの重量だったものが、約50%カットの約2.9kgにまで軽量化が可能になるとのこと。

高性能ブレーキ採用で0-400-0km/h記録にチャレンジだ!

これについては、ブガッティの新技術責任者であるFrankGotzke氏も「サイズを大型化するにも関わらず、軽量化できる技術というのは革新的で非常に印象に残るパーツとなる。更にはブレーキの性能も大幅に強化されることから、この技術は積極的に且つ、早急に採用できるように迅速に開発を進めていく」とコメントしています。

もちろん、今回のような超強力ブレーキング機能を持ってして挑むのが、以前0-400-0km/hの加減速時間の世界記録を塗り替えたケーニグセグ「アゲーラRS」。
ブガッティが次期ハイパーカーを生み出すときには、既に別メーカが新たな記録を打ち立てている可能性がありますが、それでも更に上を行くモデルを生み出すことは間違いなさそうですし、そういった目標があるからこそ一つ一つのパーツの改善や新技術を生み出すきっかけになるのだと思いますね。

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Reference:motor1.com