さようならマクラーレン・スポーツシリーズ。僅か6年で生産終了となり短い歴史に幕…ハイパフォーマンスモデル620Rの納車を最後に新型アルトゥーラにバトンを繋ぐ

SUVを製造しないマクラーレンとしては、スポーツシリーズの廃止は苦渋の決断だったと思う

2021年3月23日、マクラーレンが公式プレスリリースにてエントリーカテゴリーでもあるスポーツシリーズを正式に生産終了することを発表しました。

スポーツシリーズは、マクラーレンのラインナップモデルで最も購入しやすいカテゴリで、排気量3.8L V型8気筒ツインターボエンジンをベースにしつつ、エンジン出力の違いで540C/570S(スパイダー)/570GT/600LT(スパイダー)/620Rがラインナップされてきましたが、先日発表されたV6ターボ+プラグインハイブリッドモデルの新型アルトゥーラ(Artura)に置き換えられます。

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最後のスポーツシリーズ620Rが完売しなかったとの情報も

マクラーレンのスポーツシリーズは、2015年4月のニューヨークモーターショー2015にワールドプレミアされた570Sクーペがきっかけで続々と展開され、マクラーレンのラインナップで最もリーズナブルなスーパースポーツカーでした。

現在スポーツシリーズで唯一納車が完了していないのが、600LTを上回るハードコアモデルの620Rとなりますが、こちらについては世界限定225台に制限され、北米市場向けは70台のみの販売(620Rが実質スーパーシリーズの最終モデルになる)。

ただ海外カーメディアCARSCOOPSの情報によると、北米での振り分け台数70台全てが完売したわけではないとのことで、想定をはるかに下回る結果となり、途中で生産枠を残したまま受注をストップした可能性が高いとのこと。

最後のスポーツシリーズ620Rも生産完了済み、あとは各国のオーナーに納車するだけ

なおマクラーレンはつい先日、北米市場向けに最後に製造されたオレンジカラーの新型620Rをディーラー入庫したばかりで、今後は欧州や中東、アフリカ市場にも既に生産が完了している個体の納車が進められるとのこと。

620RにはMSOパッケージなるメーカーオプションが準備されていて、吸気と排気音を改善するためのルーフスクープをグロスカーボンファイバに変更したり、ボディパネルの素材をカーボンファイバに変更するなど、軽量化やデザイン性の向上を図った充実したオプションが設定され、更にサーキットでのラップタイムを競うために、ラップタイマーとラップ記録するための3台のカメラを備えるトラックテレメトリーシステムも設定されています。

620Rは570S GT4の血統を受け継ぐ「レーシングカーと公道モデルの中間的なモデル」

気になる620Rのパワートレインは、570S GT4と同じ排気量3.8L M838TE型V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力620ps/最大トルク620Nmを発揮。

直線性のパフォーマンスとしては、0-100km/hの加速時間が2.9秒、西湖時速は322km/hにまで到達します。

ちなみにマクラーレンは、2015年に570Sクーペの販売をスタートして以降、トータル8,500台以上のスポーツシリーズを販売。

価格やパフォーマンス、見た目が大幅にアップするスーパーシリーズやアルティメットシリーズとは異なり、且つランボルギーニやフェラーリよりも買いやすいスーパーカーの一つでもあったため、このカテゴリが終了するのは非常に残念ではあります。

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Reference:CARSCOOPS