フェラーリが突如としてワンオフモデルの新型SP51を世界初公開!812GTSをベースに1955年の410S レースカーをモチーフにしたレトロスタイルに

フェラーリ812GTSをベースにした世界に一台しか存在しない特別なワンオフモデルが登場!

フェラーリがたった一人の最上位顧客のために開発・設計・製造するワンオフモデルのSPシリーズですが、今回はフラッグシップV12オープンモデルとなる812GTSをベースにした世界に一台しか存在しない新型SP51を世界初公開しました。

2022年9月28日に公開されたSP51は、フェラーリのスペシャルプロジェクト部門とフェラーリデザイントップであるフラビオ・マンゾーニ氏が、台湾を拠点とするVIP顧客のために製作したものだそうで、基本的には812GTSのプロポーションを活かしながらも、特注の鍛造アルミホイールやヘッドライト、柔らかく流れるようなボディワーク、さりげなくもレトロ感を演出したエクステリアに仕上げられた唯一無二のロングノーズ・ショートデッキスタイルとなっています。

2021年5月に、F8トリブート(F8 Tributo)をベースにしたワンオフモデルのSP48 Unicaが登場したばかりですが、果たして今回のモデルはどういった内外装デザインに仕上げられたのかチェックしていきましょう。


フェラーリSPシリーズは世界に一台しか存在しないため、その開発条件も非常に厳しい

こちらが今回世界初公開された新型SP51のエクステリア。

外観は見ての通り812GTSがベースであることが明確にわかりながらも、フロントバンパー形状やヘッドライト、足もとのアルミホイール(ちょっとモンツァSPシリーズっぽい?)含む、ほぼ全てのエクステリアパーツが変更され、どこかレトロルックな印象を与えるところはSPシリーズの特徴の一つ。

なおSPシリーズの開発期間は最低でも2年以上、価格帯としては2億円以上、基本的には転売禁止という厳しい条件が定められていて、しかしこれらをクリアするということは、こういったモデルをオーダーできる人物は「フェラーリが最も信頼する上位顧客」であることの証にもなります。

往年のレースカー410Sをモチーフにしたダブルセンターストライプも

改めてSP51のエクステリアを見ていきましょう。

フロントノーズからテールまで(しかも内装にも繋がっている!)にペイントされたブルーとホワイトのセンターストライプは、フェラーリが1955年に発表した410S レースカーに敬意を表した特別なカラーリングで、更にこのプロジェクトのためだけに特別に開発された3コートのレッド系となるロッソ・パッショナーレと呼ばれるボディカラーに塗装されています。

なおパッショナーレの由来は不明ながらも、過去フェラーリでは「ビアンコ・サナエ」や「ブロンゾ・マサル」など、オーナーの名前をモチーフにした特別カラーを開発してきましたが、もしかするとこのパッショナーレという名称も、台湾在住のVIPオーナーの名前が由来となっているのかもしれません(あくまでも勝手な推測ですが…)。

そしてこの筋肉質で水平基調をイメージしたサイドビューも美しいこと…

プラットフォームはもちろん812GTSのアルミニウム構造を共用していて、カーボンファイバーパーツも多用していますが、ボディパネルのほとんどは812GTSからほぼ全て変更されているため、その開発費用なども含めての車両本体価格が3億円以上になるのは「当然といえば当然」。

販売できる台数は1人のオーナーだけになるため、その開発費用をペイできる可能性は低いとも考えますが、フェラーリはそれでも「VIP顧客のリクエストに応える」精神は揺るぎないものがあり、それでいて満足度の高い製品を作り続けるところは素晴らしいところです。

2ページ目:内装もエクステリアと同じカラーリングを採用するほどの拘り!