日本人オーナーも複数人所有しているブガッティ・シロンを「10年以上所有」したときの維持費はいくら?最初の4年間は無償メンテ付きだが、総額はレクサス新型LX600が購入できるレベルのようだ

オイル交換だけで200万円以上もかかると云われるブガッティだが…?

ブガッティが世界限定500台のみ販売したハイパフォーマンスハイパーカー・シロン(Bugatti Chiron)。

世界の限られた富豪のみが所有できる億越えのハイパーカーで、日本国内だと元ZOZOTOWN創業者である前澤友作 氏や、2022年10月に逝去された芝浦グループホールディングス元CEOの新地哲己 氏、ZENT CEOである都筑善雄 氏などが挙げられています。

シロンの価格帯は日本円にして約3億円~4億円といわれていますが、それ以上に注目したいのが維持費で、オイル交換だけでも200万円以上かかるとのこと。

そこでスーパーカー/ハイパーカーに特化したYouTubeチャンネルのThe Hamilton Collectionが、「シロンを10年間所有した際の維持費・コストはどうなる?」という動画を公開しています。


シロンは新車納車後、4年間無料のメンテナンスパッケージを付帯

早速ブガッティ・シロンの維持費についてチェックしていきますが、今回の動画では任意保険やガソリン代、高速道路代、カスタム代などを一切含めないことを前提とした維持費を計算していて、いわゆるメンテナンス・点検に注目。

シロンは新車購入する際、(日本市場向けも含めて)4年間の無料メンテナンスパッケージを付帯するため、積車でディーラーへと搬送するための費用以外は特にお金はかからないとのこと。

なおブガッティジャパンも「新世代ブガッティの信頼性は非常に高い。大きなトラブルは聞いたことありません」とのことで、もしトラブルが発生したとしても、東京都品川のファクトリーで修理出来るのもポイントなのだそう。

4年後の無料メンテナンスパッケージを過ぎてからが本番!

4年間の無料メンテナンスパッケージによる保証が過ぎたのち、ここからがいよいよ本番になるわけですが、まずシロンにかかるであろう年間の点検費用は11,500ドル(日本円に換算して約152万円)で、これにはオイルやオイルフィルター、キーフォブのバッテリー交換、花粉フィルター、ブレーオイルなどが含まれているとのこと。

その後、車の保管具合や活用頻度次第でサービスオーバーホールも必要になるとのことで、その費用は34,000ドル(日本円に換算して約450万円)。

これは少なからず10年に1回は必要になるとのことで、交換が必要となる対象パーツは以下の通り。

◇フロント・リアアクスルのオイル

◇縦方向のロックオイル

◇ギアボックスオイルとフィルター

◇エンジンエアフィルター

◇ドライブベルト

◇スパークプラグ

◇油圧オイル&フィルター

この時点で、6年分の点検費用とオーバーホール代だけで103,000ドル(日本円に換算して約1,360万円)に。

タイヤ交換は「距離を走っていなくとも」最低でも5年に1回

そしてもう一つ注目したいのがタイヤ。

これはブガッティとミシュランの共同開発によって実現した特別なタイヤで、タイヤの交換作業もブガッティ本社でないと不可能。

しかも走行距離に関わらず、5年ごとに新品のタイヤに交換する必要がある(じゃないと最高出力1,500psのパフォーマンスを最大限に発揮できない)ため、その費用にはタイヤ4本分で8,450ドル(日本円に換算して約120万円)が必要となります。

ブガッティのタイヤは「1本あたり約400万円」との噂もあったが…?

ちなみに、ブガッティ・ヴェイロンやシロンのタイヤ交換の際、「タイヤ1本あたり約400万円」という噂が拡散されましたが、これは「タイヤホイールをフランスに空輸便で輸送するための輸送費」も含まれているためで、タイヤ4本分で1,600万円の費用が発生するという意味ではありません(約400万円のほとんどが輸送費)。

どこからか「タイヤはブガッティ本社でしか交換できないから、タイヤ1本を交換するのにわざわざフランスにまで輸送して交換 → 手元に戻ってくるまでに約400万円かかった」という話が、「タイヤ1本の交換だけに400万円」と解釈されてしまったのかもしれませんね(ブガッティ公式がこういった噂に対して何も反応しないところもユニーク)。

2ページ目:最低限かかる点検費用以外にも、エンジンの交換は1億円以上もかかる?