トヨタ新型GRカローラでシフトミス→エンジン内部が粉々に破壊され修理不可→部品部品にかかる費用は約420万円→何とトヨタが保証の範囲内でエンジンを交換することに

シフト変換ミス以外にも原因はありそうだが、現時点で詳細は不明

2022年末に発表・発売されたトヨタのハードコアモデルとなる新型GRカローラ(Toyota New GR Corolla)。

GRヤリス(New GR Yaris)と同じ排気量1.6L 直列3気筒ターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみ、駆動方式は四輪駆動(GR-FOUR)のみのラインナップとなっていますが、早くもこのモデルを運転中「ドライバーのシフト操作ミス」により、エンジン内部が損傷したとのことで大きな話題となっています。

海外のGRカローラ専用掲示板となる「GRカローラ・フォーラム」にて投稿された今回の件ですが、エンジン内部が粉々に粉砕された動画も公開されているとのことで、早速その中身をチェックしていきましょう。


仮にシフト操作ミスだったとして、ここまで破壊されてしまうのか…

こちらが今回、「シフト変換ミス」によって内部が破壊されたと話題の直3エンジン。

撮影場所は、どうやらオーナーが普段からお世話になっているトヨタディーラーとのことで、この動画を撮影・投稿しているのもオーナー自身ではなくトヨタディーラー整備士で自身が持つYouTubeチャンネルSimez Garageにて投稿されたもの。

あまりにも凄惨なコンディションだったことから、明確な故障理由は明らかになっていないにしても、「シフトミスでここまで酷いことになる」ことを記録として残したかったのかもしれません。

取り外した直列3気筒エンジンを見ていくと、まずアルミ製シリンダーには粉々になった部材が飛散していて…

3つ目のシリンダー内部の内壁は傷だらけになり、更にコンロッドとピストンがあらぬ方向を向いていて、奥に入り込んでいることが確認できます。

Simez Garageの情報によると、コネクティングロッドとブロックに穴が開き、バルブがシリンダーヘッドに埋め込まれた状態になり、(この時点ではオイルパンを外していませんが…)更にオイルパンを外した時には普段見られない大量の鉄くずが溜まっているなど、従来のエンジンでは見られないような凄惨な状態になっていると説明。

オイルパンを外す前に、エンジン側面のボロボロになった箇所からは、粉々になった金属のパーツが底に溜まっているのが確認できますね。

「どう考えても異常だぜ…」とSimez Garage。

とりあえずエンジンの立てる位置を変えてオイルパンを外していきます。

するとこんな感じで粉々になったパーツが大量に…

原因はシフトダウンミスによるオーバーレブ?

上述にもある通り、今回ここまでの損傷を引き起こした原因は、ドライバーによれば「シフトダウンするポイントを誤った」と語っていて、これ以上の具体的な内容は明らかになっていないものの、もしかする5速→4速ではなく5速→2速に誤ってシフトダウンしてしまい、これによって7,000rpmのレッドラインを大幅に超えるようなオーバーレブになったのではないか?と推測。

GRカローラのシフトポジションが上の画像の通りのため、本来であれば左側のように5速→N→4速とシフトダウンするはずが、勢いを付けて2速へとダウンし、コネクティングロッドがブロックを突き破ってしまったのではないかと考えられます(バルブのねじ曲がり方が尋常ではなかった)。

エンジンの部品交換に約420万円!メーカーは保証の範囲内でエンジンを交換するようだ

ちなみにこのエンジン、Simez Garageの情報によると、「エンジンの部品交換だけで約32,000ドル(日本円に換算して約424万円)」もかかるそうですが、メーカーに相談したところ「保障の範囲内でエンジンを交換する」と提案したそうです。

つまり、実質無償でエンジンを載せ替えることになりますが、それ以外のトランスミッションなども全て新品に交換されるのかまでは不明(ニュアンス的には全て保証の範囲という風に聞こえるが…)。

ただ、トヨタとしても「前回の新型GR86にあったようなエンジンブローで大事にしたくない」という想いから、早い段階で保証対応に踏み切ったのかもしれませんね。

【GR Corolla “Carnage”】

【GR Corolla oil pan removal and inspection】

【Update on the GR Corolla】

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