日産関係者がGT-Rについて語る「GT-R R35は世の法規制によって2025年に終わらせなければならない。本当はあと17年ぐらい販売したかった」

2025年に全世界向けのGT-R R35が生産終了予定となっている

日産のフラッグシップスポーツカーでお馴染みとなるGT-R R35。

2007年に発売されて17年以上が経過し、度重なる年次改良やビッグマイナーチェンジを繰り返したことで2025年モデルが発表・発売されましたが、このモデルを最後にGT-R R35は生産・販売終了と報じられています。

そして今回、海外カーメディアのトップギア(Top Gear)が、日産関係者にGT-R R35について取材した内容を公開しています。


日産「GT-R R35は各国の法規制によって、この世を去らなければならない」

海外カーメディア・トップギアの取材班は、日産のグローバル製品責任者であるピエール・ロワン氏にインタビュー。

GT-R R35が、2025年モデルで生産・販売終了することに対してどのように思っているのか?を質問してみたところ、以下のような回答・コメントが得られたようです。

GT-R R35は2007年12月より生産されて17年が経過する。

R35は刻々と時代の終わりに近づいている。

ほとんどの市場から撤退しているが、日産がGT-R R35をこの世から無くすのではなく、そうせざるを得なかった。

以上のようにコメントを残しており、日産自身がGT-R R35を生産を終了させたかったのではなく、生産終了しなければならない状況になったと強調していたそうです。

加えて同氏は、トップギアから「2025年モデルのGT-R R35が、なぜ2025年で生産終了することになるのか?」という質問に対し…

GT-R R35は発売から17年が経過したが、本当は「あと17年」販売し続けたいと思っていた。

だけど、各国の法規制の対応の問題により、2025年いっぱいでの生産が限界になってしまった。

とコメントし、改めて各国の環境や排ガス、騒音などの法規制が主な要因であったと共に、もっと他に対策はできなかったのだろうか…と後悔することも多かったとのこと。

実際のところ、R35は2021年7月に欧州市場にて新しい騒音規制が導入されたことで撤退。

その時点では、より厳しい側面衝突試験規制を満たせなかったため、すでにオーストラリア市場からも撤退していました。

日産は法規制の範囲内で妥協なきスポーツカーを提供してきた → その結果として価格もスーパーカー並みになってしまった

ちなみに日本市場向けに関しては、先程の騒音規制や排ガス規制が大きく影響しているため、2024年モデルから最高出力や最大トルクなどのパフォーマンスを維持しながらも、走行時の不要なノイズと振動を低減する新車外騒音規制対応の新構造マフラーを新たに開発・採用。

これにより、綿密に調律された感性に響く、迫力ある新たなGT-Rサウンドを感じられるわけですが、一方で数が出ないニッチなスポーツカーでもあるため、価格帯もNISMOで28,650,600円~、スタンダードモデルは13,750,000円~とスーパーカー並みの価格設定になりました。

もちろん、その後の2025年モデルでは材料費や物流費などの高騰も影響してNISMOで3,000万円以上の車両本体価格になってしまったわけですが、それだけ日産としては「パフォーマンスも維持できる妥協なき国産スーパーカーを提供したかった」というプライドの方が先行したのだと思われます。

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