昨今のホンダの新型車を見て思う。やっぱりZR-Vは走りも乗り味も装備面も全てにおいて完成度・満足度の高い「コスパ最強の車」だったんだな

手放してから気付くZR-Vの良さ…本当によく出来た車だと思う

2023年5月~2024年11月まで所有していた、ホンダ新型ZR-V e:HEV Z[4WD]。

私が購入した当時の車両本体価格が4,119,500円(税込み)で、ディーラーオプションや諸費用・税金なども含めると、総額にして4,653,560円(税込み)だったのですが、ここ最近のホンダの新車・新型車の完成度や装備内容、そして価格帯とのバランスを考えてみると「ZR-Vってとんでもなくコスパの高い車だったんじゃないか?」と思えるんですね。

特に手放してから改めて気付けるポイントも多く、今回は具体的にZR-Vのどういったところが良かったのか?見ていきたいと思います。


2.0L e:HEVで四輪駆動を設定しているのはZR-Vのみ

まずはZR-Vを購入する上で一番魅力に感じたのが、ハイブリッドe:HEV×四輪駆動[4WD]の組合せ。

そのなかでも、排気量2.0L 直列4気筒直噴エンジン+デュアルモーターを組み合わせたハイブリッドe:HEVで、四輪駆動[4WD]もラインナップモデルはZR-Vだけなんですね。
※日本市場向けだと2.0L e:HEVを搭載するのは、ステップワゴン/シビック(FL4)/アコードのみで、後々新型プレリュードにも搭載予定

しかもZR-Vの場合は、手動で切り替え可能なパートタイム4WDではなく、プロペラシャフトを介してリアに駆動するタイプのリアルタイム4WDのため、走行状況や走行モードに応じてトルク配分を調整できるのも魅力ポイント。

基本となる前後重量配分は前輪駆動(FF)ベースなので約58:42なのですが、加速体勢や路面の変化状況に応じてリアの荷重バランスからトルク配分を調整しているため、ドライな路面やウェット路面など、あらゆる変化のある路面に対して常に足が動いているので安心感が高いんですね。

以前、シビックタイプR (FL5)の半年点検の合間に、ホンダの担当スタッフさんの提案でZR-V・ガソリンZ[2WD]に試乗させていただいたのですが、ちょっとした街乗り程度の公道でも安定感が高く、ウェットな路面であってもアクセルペダルを踏み気味にしてもホイールスピンすることなく軽快に加速していったときの気持ちの良いフィーリングは今でも忘れられません。

そういった走りの安定感は、ホンダの現在のラインナップモデルの中でもシビックタイプR (FL5)に続いて優れているのではないかと思いますし、「安心して踏める」「シビックSUV」と言われるのもZR-Vの魅力なのだと思います。

ZR-Vは歩道や段差を通過するときのねじりが少ない

走りの安定感が高いことはもちろんなのですが、もう一つやっぱり驚くのはねじり剛性が高いということ。

ひと括りにねじり剛性が高いといわれても「何が?」と思ってしまうのですが、いわゆる公道からコンビニなどに進入する際に(その逆も然り)、段差が設けられた歩道を通過していくシーンがあるかと思いますが、そのときにタイヤを切りながら斜めに進入し、更に段差を通過したときの車体のねじれ(ロール)がほとんど感じられないため、体の揺れも小さいんですね。

これが他に所有する軽自動車のN-BOXになってくると、ホイールベースが短くて重心位置が高い上に、ねじれが大きく車体の揺れも大きいですから、それに合わせて体の揺れも大きく感じてしまうのは車の構造上仕方ないものの、ZR-Vはスタイリングや重心バランスも含めて上手く考えられていると思います。

2ページ目:新型ZR-Vはホンダのラインナップの中で装備面も充実している