【悲報】三菱オーストラリアがパジェロスポーツ/エクリプスクロス/ASX (日本名:RVR)全て生産・販売終了へ。一体なぜこんなことになったのか?
まさかオーストラリア市場の三菱の主力SUV 3車種が一挙に販売終了になろうとは…
三菱のオーストラリア法人が、今後ラインナップするモデルを大幅刷新するため、今回5つのSUV・トラックモデルの内、3つのSUVモデルの製造・販売を終了することを発表しました。
三菱といえば、ルノー・日産・三菱アライアンスグループにおいて、東南アジア市場を中心にトラックやSUVをメインに販売していくことが主なミッションとなっていますが、その主力SUVを販売終了することは意外でした。
一体なぜ生産・販売終了せざるを得なかったのか?早速チェックしていきましょう。
三菱が製造・販売終了するのは、ASX/エクリプスクロス/パジェロスポーツの3車種
三菱オーストラリア法人からの情報によると、今回製造・販売終了となるのはASXと、エクリプスクロス (Exlipse Cross)のガソリンモデルとPHEVの両方、そしてパジェロスポーツ (Pajero Sport)の3車種となります。
これらのモデルが製造終了となる理由は、「今後新たに改定されるオーストラリアの規制・基準を満たさないため」とのことで廃止になるそうです。
つまり、これにより三菱オーストラリア法人が販売するSUV/トラック系は、アウトランダー (Outlander)と新型トライトン (New Triton)の僅か2車種のみになってしまうわけですが、2025年後半にはルノーベースのOEMとなる新型ASXがラインナップされるため、厳密には3車種が販売されることになります。
そもそもどのような理由で生産・販売終了になるの?
おそらく多くの方が気になっているであろう「どのような規制で販売終了してしまうのか?」という点ですが、これは2025年3月1日より施工されるオーストラリア設計規則(ADR)の改定によるもの。
なお、このオーストラリア設計規則(ADR)は、オーストラリアにおける車の構造や性能などについて規定した連邦法規で、「2025年3月1日より全ての新車に対し、対車両衝突被害軽減ブレーキ(ABE)の標準装備を義務付ける」ことになっているため、今回の対象のモデルは、この規制に準拠できないために生産・販売終了しなければならないんですね。
また三菱オーストラリアの社長 兼 CEOであるショーン・ウェストコット氏によると、「モデルの再設計に必要な投資は、その古さを考えると商業的に実現不可能だった」と説明。
興味深いことに「3車種は堅調な販売実績である」にもかかわらず海外カーメディアの報告によると、 ASX/エクリプスクロス/パジェロスポーツは、2024年の三菱オーストラリアの売上げの3分の1以上を占めているとのこと。
具体的には、ASXだけで12,330台(2023年比+34%増)、エクリプスクロスは9,221台(同年比+18%増)、そしてパジェロスポーツは7,306台(同年比+31%増)を販売しているため、何れもモデル末期でありながらも決して悪い数字ではないんですね。