フルモデルチェンジ版・日産の新型リーフの開発エピソード2が公開!なぜ最小回転半径を「0.1m」ではなく「10cm」で誇らしげにPRにするのだろうか

新型リーフの開発エピソード2のテーマは、快適性と効率

2025年6月17日に内外装デザインが公開予定となっている、日産のフルモデルチェンジ版・新型リーフ (Nissan New Leaf, ZE2)。

2025年6月3日より、本モデルに関する開発エピソードがスタートし、今回はエピソード2が公開されました。

ちなみにエピソード1では、ターコイズブルー×スーパーブラックルーフ2トーンの次期リーフだけでなく、ダークグレーメタリック(通称:ガンメタ)のリーフも登場し、その見た目はまさにミニアリアでした。

今回の開発エピソード2では、快適性と効率をテーマにした内容となっていますが、どのような点をPRポイントにしているのかチェックしていきましょう。


日産が伝えたいポイントは大きく3つあるようだ

それでは早速、新型リーフの開発エピソード2の中身をチェックしていきましょう。

エピソード2の主なポイントは以下の3項目ですが、中には「数字をよく見せるために、敢えて単位を変えている」ところもあるため、パッと見ではよく見えそうではあるものの、それなら素直に見やすくも統一された単位で揃えた方が印象が良いのでは?と思う所もあります。

●音振性能の改善により、極めて静かな室内空間に

●ハンドリングと乗り心地を向上するマルチリンク式リアサスペンションを採用

●最小回転半径の改善で、日常の取り回しの良さをさらに向上

新技術の電動パワートレイン「3-in-1」とは?

まずは、エピソード1より登場している日産グローバル商品企画部門の責任者であるリチャード・カンドラー氏の説明によると、新型リーフは、優れた応答性と、スムーズさを洗練させ、より自信に満ちた走りを提供するとのことで、同車は、こうした性能を最大限に引き出せるように開発されているとのこと。

具体的には、新型の電動パワートレインに「3-in-1」を初めて採用し、従来3つに分割されていた主要なコンポーネント「インバーター」「モーター」「レデューサー」をパッケージ化することで、現行モデルより10%の小型化に成功。

そしてパフォーマンスとしては、システム出力が214hp/最大トルク355Nmを発揮するとのこと。

なお参考までに、現行ZE1型リーフの場合だと、40kWhモデルでシステム総出力150ps/最大トルク320Nmに対し、上位グレード60kWhモデルはシステム総出力218ps/最大トルク340Nmを発揮。

つまり、次期リーフは60kWh相当のバッテリーを搭載する可能性が高く、システム総出力はやや劣るものの、トルクは現行比15Nmアップするため、更に10%の軽量化によるトータルパフォーマンスの向上が期待できそうですね。

パワートレインとサスペンションの改良により、遮音性能を改善

続いての改良ポイントを見ていきましょう。

新型リーフでは、新型パワートレインやサスペンションの改良、遮音性能の改善により、より静かで洗練されたキャビンを実現しているとのこと。

日常の走行を想定した速度(50km/h程度)では、現行モデルよりも静粛性を最大2デジタル向上しているとのことですが、この僅かな数値が実際に運転した際にどの程度の「向上している」と判断できるのかは気になるところ。

さらに、パワートレインの小型化に伴い、空調ユニット(HVAC)を室内ではなくモータールーム内に配置することで室内空間を向上させ、空間効率をつきつめた圧倒的な開放感をもたらすキャビンを実現しているそうです。

リアサスペンションは、トーションビームからマルチリンクへと変更 → つまりは車両本体価格も大幅に上がる恐れがある

続いて足回りも見ていきましょう。

新型リーフでは、リアにマルチリンクサスペンションを採用しました。

これにより、車体の横剛性が66%向上し、現行アリアなどにも採用されているCMF-EVプラットフォームの採用により、高剛性ボディ構造が実現され、俊敏性と乗り心地が大幅に改善されているとのこと。

ちなみに、従来採用されていたトーションビームは、コストパフォーマンスに優れ、軽量で構造がシンプル、整備が容易なメリットがありますが、一方で独立懸架に比べて自由度が低く、悪路での接地性が低いなどのデメリットもあります。

そしてマルチリンクサスペンションの場合は、複数のリンクで車輪を支えることでロールしたときのトー変化を抑えるほか、トレッドや対地キャンバーの変化をなくすといった数多くのメリットが存在ます。

しかしその一方で、構造はより複雑となって部品点数も増えるため、取り付けの高い精度も求められることから、採用は一部の車種に限られるのが実情ですし、確実にコスト上昇とともに、車両本体価格も高額になることが用意に想像できますね。

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