フルモデルチェンジ版・日産の新型リーフの開発エピソード2が公開!なぜ最小回転半径を「0.1m」ではなく「10cm」で誇らしげにPRにするのだろうか
(続き)フルモデルチェンジ版・日産の新型リーフに関する開発エピソード2をチェック
引き続き、快適性と効率の追求をテーマにした日産の新型リーフに関する、開発エピソード2をチェックしていきましょう。
最小回転半径は0.1m小さくできたが、単位を変えてまでPRすることではないな…
そしてこちらも、色んな意味で注目してほしいポイントなのですが、新型リーフの最小回転半径が現行比-0.1mを実現していること。
なお日産の公式プレスリリースでは、新型リーフのホイールサイズが19インチとなるものの、最小回転半径が5.4m → 5.3mに0.1m小さくなったと表現していますが、プロモーション動画ではさらに数値を大きく見せたかったのか「10cm(もしくは3.94インチ)」と表記。
おそらく数値のインパクトの問題だとは思いますが、最小回転半径を540cmや530cmと表現することはほとんど見たことがないですし、今回の改善数値も「10cm」で表現しているのもある意味で珍しいこと。
それならば、プレスリリースと同様に”0.1m”で統一した方がスマートで好印象だと思いますし、「日産の悪い癖」が出てしまっているように感じられますね。
日産はコスト低減よりも熱効率を優先?
そしてこちらは、日産テクニカルセンターで開発を主導したチーフ・ビークル・エンジニアの磯部 博樹 氏。
彼によると、「開発チームの最優先事項は、熱をマネージすることによる効率化とエネルギーの無駄をなくすことでした」とコメントしており、加えて「車載充電器(OBC)が充電中に発した熱を捨てるのではなく、バッテリーを温めるために利用するなどしています。これを実現するために、新しい水冷式のバッテリー温調システムを採用しました」と説明。
これは、車載充電器が発生する熱を回収して、バッテリーを温めるように使うなどし、特に寒冷地での充電性能・回生性能を向上させることにもつながっており、この熱マネージメントシステムにより、バッテリー性能の効率化を突き詰め、エネルギーを節約することで航続距離の延長を可能にしているそうです。
このように新型リーフは、新型のパワートレインや高度な熱マネージメントシステム、進化したプラットフォーム、改良されたリアサスペンションが一体となり、より洗練された自信に満ちた走りを実現しているとのことですが、この内容を拝見する限りでは、コスト低減を無視してパフォーマンス向上を優先しているようにも見えたり…
あとは、も競合モデルに比べて優れているポイントはどこなのかも気になるところ。
今の日産には、呑気に開発エピソードを小出しで公開している余裕はない
そして、新型リーフの航続可能距離や急速充電による20%→80%の充電時間、グレード展開とグレード別価格帯が一番のキーポイントになるでしょうから、開発秘話に力をいれることは確かに重要ではあるものの、そろそろユーザーが最も知りたいポイントを最優先に伝えてほしいですし、今の日産に「情報を小出しにして焦らす」戦略はナンセンスだと思うんですね。
確かに新型車の登場は記念すべきことだと思いますが、日本ではまだまだインフラ設備が充実していないなかで、リーフがどれだけ日産の支えになるかわからないですし、ましてや現行リーフよりも確実に高額になるでしょうから、「主力モデルとして本当に売れるのか?」といった不安の方が大きいように感じてしまいます。
1ページ目:新型リーフの新パワートレイン「3-in-1」とは?マルチリンクリアサスペンション採用により、コストは確実に上がるというデメリットも