フルモデルチェンジ版・ダイハツ新型ムーヴの気になるポイント 「なぜムーヴキャンバスにある機能をムーヴに採用しない?」「ターボ系にパドルシフトを採用しない意図は?」

今回の新型ムーヴは、実際に所有してから不満に感じる点がいくつか出てきそうだ

ちょうど2年の販売延期を経て、2025年6月5日に発表・発売された、ダイハツのフルモデルチェンジ版・新型ムーヴ (Daihatsu New Move)。

前回のブログでは、訴求グレードとなる自然吸気系Xグレードの実車内外装インプレッション記事と

最上位グレードとなるターボ系RSグレードの実車内外装インプレッション記事を紹介しました。

そして今回は、両車の内外装をチェックしつつ、改めて主要諸元などを見返した上で、現行ムーヴキャンバス (New Move Canbus)を所有するオーナー目線で気になるポイントをいくつかチェックしていきたいと思います。


置きラクボックスが採用されていない

まずは、後席の足元に置きラクボックスが採用されていないこと。

置きラクボックスは、後席シート下や足元空間を有効活用できる機能で、現行ムーヴキャンバスより「国産車として初めて採用」されました。

置きラクボックスには、以下の2種類のモードが存在するわけですが、てっきりムーヴシリーズ全てに採用されるものだと思っていたものの、まさか新型ムーヴでは採用されないとは…

●ケースモード・・・シート下に収まる引き出しとして使用可能。積んだままにしておく物など、外から見えずにすっきり収納

●バスケットモード・・・ユーティリティーボックスを立ち上げると、高さが増し、転倒しやすい荷物も安定した収納が可能

確かに価格面で安価に見せなければならない分、装備内容もある程度簡素化することも大事にはなってきますが、快適装備という面でムーヴキャンバスと差別化されてしまい、後から登場した(しかも2年も遅れて)ムーヴに採用されないのはとても残念に思う所。

私の両親用に購入したムーヴキャンバス Theory G[2WD]でも、置きラクボックスは買い物袋などを仮置きする際に重宝していただけに、ムーヴのちょっとした魅力が失われてしまったのは極めて残念だと思います。

ホッとカップホルダー(前席/掘り込み式)が採用されていない

続いては、ホットドリンク系の温度を温かいままで維持する「ホッとカップホルダー(前席/掘り込み式)」を採用していないこと。

この機能は、現行ムーヴキャンバスのGグレード/Gターボグレードに標準装備されているもので、日本の自動車メーカーとしては初めて採用された機能です。

具体的な保温温度までは不明ながらも、現在私が所有しているムーヴキャンバス Theory Gにて検証した結果、以下のような動画結果となりました。

結果としては微々たるものだと思いますが、個人的には「無いよりはあった方が良い」という印象ですし、昨今は魔法瓶を使ったタンブラーなども多く存在しますが、出先で購入したカップドリンクの温度を少しでも落とさない意味でも、この機能は結構実用性は高いと思っています。

全グレードに防眩ルームミラーが採用されていない

続いて、ムーヴでは全グレードにおいて防眩ルームミラーが採用されていないこと。

防眩ルームミラーとは、夜間の走行時に後続車のヘッドライトの眩しさを軽減する機能を備えたルームミラーのこと。

主にミラーの反射率を自動的に調整する「自動防眩式」と、レバーで切り替える「手動式」がありますが、直近の新車・新型車では手動式の方が多め。

ちなみにこの手動式防眩ルームミラーは、競合モデルのホンダN-BOXでも採用されていない機能ではあるものの、できればこの機能は採用してほしかったところ。

なお、ダイハツの純正ディーラーオプションでは、鏡面防眩タイプのルームミラーが販売されていて、その費用は7,260円税込ではあるものの、実際に普段使いしないと気付かないポイントだと思いますから、購入を検討されている方は注意してほしいポイントでもあります。

2ページ目:新型ムーヴにはロールサンシェードが採用されておらず、おまけにターボエンジンにはパドルシフトが備わっていない