これは楽しみ。メルセデスベンツAMGがEV車両の擬似エンジン音開発のためリンキン・パークとコラボ

2020-05-27

メルセデスベンツAMGは以前、小排気量ながら高電圧供給&高効率タイプとなるハイパーカーモデル「プロジェクト・ワン」を発表しましたが、今後内燃機関モデルの販売禁止並びにハイブリッドモデルやEVモデルの販売促進を行っていく上で、BMWやランボルギーニも取り組みを進めているEVモデルの擬似的なエンジンサウンドを開発するために、アメリカの超人気ロックバンド「リンキン・パーク」とコラボすることがわかりました。

これについて、メルセデスベンツのAffalterbachベースのパフォーマンス部門Tobias Moersチーフによると「これまで、人工的なエンジンサウンドを作りだすためには、ゲーム会社のスペシャリストや映画芸術家たちと開発を進めてきたが、ロックバンドとの開発は初めて。迫力あるエンジンサウンドを生み出すため、ロックバンドの技術力が必要になるかもしれない」とし、今後のEVモデルの技術力向上に向けて開発に大きな期待が寄せられています。


上記にもある通り、フォーミュラ1からインスピレーションを受けたハイパーカーモデル「プロジェクト・ワン」は、未来を切り開く排気量1.6L V型6気筒ターボチャージャーの低排気量タイプ且つ4基の電気モータを備えシステム総出力1,000psを超える環境重視モデルで、今後こうした低排気量でありながらも高出力を維持するスポーツモデルの登場が予想されていますが、一方のEVモデルについては、まだまだ明かされていないことが山積み。

AMGは、新世代モデルとなる「CLS」のEV版を準備しているとのことですが、このモデルに合わせて擬似的なエンジンサウンドを構築し、内燃機関モデルと同等ないしはそれ以上の迫力あるサウンドを提供できるような技術を公開する可能性もありそうですね。

Reference:CARSCOOPS

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ランボルギーニは先日、マサチューセッツ工科大学と提携開発中である次世代型EVスーパースポーツ「テルッツオ・ミッレニオ」のコンセプトモデルを発表しましたが、その翌日には同大学にてその実写モデルが世界初公開されました。
本モデルの車両名である「テルッツオ・ミッレニオ」とは、「第三の千年紀」という意味合いが込められており、内燃機関モデルから100%電気自動車へと切り替わる上で、他社では実現できない革新的な技術とアイデアにて生み出される最強のEVスーパーカーとなります。

そんな「テルッツオ・ミッレニオ」について、ランボルギーニのCTO(最高技術責任者)であるMaurizio Reggiani氏は、同大学の会見にて「エネルギーの蓄積や配電、ランボルギーニのレガシーな性能と設計基準を満たす体制をとる必要がある」と述べ、ランボルギーニの将来性も含めて、走ることの楽しさを忘れない究極の一台を作り出す旨を決意。

同車は、EVスーパースポーツとしての肩書を持つだけでなく、最先端の材料と運転性能を持つ一台になると予想されています。
例えば、人工知能技術(AI)も同車に組み込まれることが判明していますが、それはあくまでも自律走行機能を持った個体ではなく、ドライバがサーキット場にて出走する前に、停止状態から「実車にてサーキット走行をシミュレート」できる仮想コックピットが搭載される可能性が高いとのこと。

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また、今回公開されている同車のデザインは、将来のパフォーマンスカーとして10年から20年先を見据えたヴィジョン・グランツーリスモ風で、ランボルギーニが今後の技術開発の発展に向けての重要なベンチマークになるとのこと。
ただ、今回公開されている実写モデルはあくまでもモックアップのため、EVパワートレインが搭載されておらず(つまりは自走不可)、しかし、マサチューセッツ工科大学が新たに開発した自己修復型カーボンファイバを取り入れたボディが公開され、これに合わせてEVパワートレインもボディに組み込まれる(?!)スーパーキャパシターとエネルギー貯蔵装置による特殊な構造になるのだとか。
なお、自己修復型カーボンファイバとは、事故によって引き起こされたその基礎構造の中の損傷部を検出し自己治癒及び自己修復することを意味しており、治癒化学物質にて満たされたマイクロチャネルの放出により自己修プロセスを開始する特殊な素材であることを公表しています。

パワートレインについては、上述の通りEVを採用の為電気モータがベース。
4つの車輪にそれぞれ1基のモータを搭載し、各モータには、非常に高いピーク出力だけでなく、即効性があり且つ運動エネルギーによる効果的な充電性能(回生ブレーキ含む)、そしてバッテリー劣化の低減といった目標に更なる開発が進められることとなります。これらを達成する為には、カーボンファイバナノチューブと超コンパクトなバッテリーを使用することが重要であるとのこと。

設計ポイントについては、カーボンファイバボディによって与えられた均一にバランスのとれたエアロダイナミクスに加え、ランボルギーニの将来的なデザインともいえるY字型のフロント・リヤライトを採用しています。

なお、このコンセプトモデルは、今後マサチューセッツ工科大学との連携により、今後3年以内に機能的自己修復エネルギー保持複合コンポーネントを製造する可能性があるとのこと。
なお、肝心のエンジンサウンドについてですが、EVモデルのような非常に静かなサウンドではなく、V10ないしはV12のような感情的なエンジンサウンドを擬似的に発する機能を持たせ、ドライバに対する走りの喜びと興奮を与えられる一台が生み出されることが期待されています。

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【Designing the future: Lamborghini Terzo Millennio】