今後まだまだ出てきそう…トヨタが新たに不正車検を行っていた11社12店舗を公開。このままだと自動車整備士の志願者激減にも繋がりかねない?

前回の大規模リコール然り、今回の不正車検を公けにしたことで、トヨタはまだ改善の方向に向かえるとは思うが…

トヨタと言えば2021年3月末、ネッツトヨタ愛知の販売店(プラザ豊橋)にて不正車検が発覚し、その後行政処分を発表するも、今度は東京都のトヨタモビリティ東京にあるレクサス高輪において、指定整備の一部の検査において基準を満たす値への書き換えや、一部の検査を実施しなかったという不正車検の事実が明らかになったばかり。

▽▼▽関連記事▽▼▽

これに対しトヨタは、レクサス高輪に対する処分概要として、以下のことを正式に決定しました。

①レクサス高輪の指定整備業務抹消

②レクサス高輪の自動車検査員4名の解任

なお、レクサス高輪にて発覚した全565台分の不正車検車両については、2021年10月中にほぼ全数を完了する予定となっていますが、実はこれだけでは終わらなかったんですね。

っというのも、2021年9月29日にトヨタ公式が発行したプレスリリース「トヨタおよびレクサス販売店における指定整備違反を受けた全4,852拠点総点検の結果と今後の再発防止への取り組みのご報告」より、今回新たに販売店11社12店舗において不正車検が行われていたことが発覚しました。


今回の総点検・調査結果を見ても、今後もまだまだ出てくることも考えられる

トヨタが今回公式プレスリリースにて公表した11社12店舗は以下の通り。

なお①~⑤の店舗については故意性があり、残りの⑥~⑪に関しては過失によるものと注意書きしていますが、判明経緯は店舗によって国土交通省各運輸支局の監査や自社とバラバラで、おそらく調査次第では「まだまだ下記の該当店舗以外にも出てくる」恐れも十分に考えられそう。

①トヨタモビリティ東京(株)
[店舗名]レクサス高輪
[違反内容]排ガス検査未実施/4WD車の速度計未検査/ヘッドライト光度改ざん/サイドスリップ計測値改ざん/パーキングブレーキ検査未実施/
[対象台数]517台

[店舗名]江戸川瑞江店
[違反内容]4WD車の速度計未検査
[対象台数]5台


②広島トヨタ(株)
[店舗名]広店
[違反内容]他人のIDで電子保安基準適合証を承認・発行/検査員が自ら整備作業を実施
[対象台数]8台


③トヨタカローラ山口(株)
[店舗名]安岡店
[違反内容]4WD車の速度計未検査/ディーゼル車の排ガス検査未実施
[対象台数]10台


④ネッツトヨタ山梨(株)
[店舗名]本社セイリア店
[違反内容]排ガス検査未実施/4WD車の速度計未検査/ヘッドライト光度改ざん/ブレーキ制動力検査の不適切実施/サイドスリップテスタをロックしたまま検査
[対象台数]260台 監査


⑤トヨタカローラ愛媛(株)
[店舗名]中央通店
[違反内容]一部の部品交換せずに保安基準適合証を発行
[台数]1台


⑥ネッツトヨタ沖縄(株)
[店舗名]南風原店
[違反内容]サイドスリップテスタをロックしたまま検査
[台数]20台


⑦鳥取トヨペット(株)
[店舗名]米子店
[違反内容]サイドスリップテスタをロックしたまま検査
[対象台数]519台


⑧トヨタカローラ宮崎(株)
[店舗名]日南店
[違反内容]同一性の異なる車両に保安基準適合証を交付
[対象台数]1台


⑨徳島トヨペット(株)
[店舗名]阿南店
[違反内容]同一性の異なる車両に保安基準適合証を交付
[対象台数]1台


⑩沖縄トヨタ(株)
[店舗名]宮古支店
[違反内容]同一性の異なる車両に保安基準適合証を交付
[対象台数]2台


⑪長崎トヨペット(株)
[店舗名]琴海店
[違反内容]保険が不足している状態で保安基準適合証を交付
[対象台数]1台

via:Toyota

そして今回の問題が生じた理由、今後の課題について、トヨタは以下の5項目を記載しています。

①:サービス現場における過大な業務量と、エンジニアの人員不足
・作業手順や作業内容が決まっていない、または見直しが不十分
・エンジニアがお客様の納車引取りや洗車作業等、付随する業務に追われていたこと

②車検制度への役割認識と遵法意識の不足
・経営層・管理者や検査員本人が、国の業務を代行している認識の甘さ
・サービスと営業間のコミュニケーション不足、サービスへのしわ寄せ

③経営層・管理者と現場作業者の風通しの悪さ
・経営層と管理者が目標や実績のみを管理し、現場の実態を把握できていないこと
・エンジニアが働く環境、ストレス、処遇等の悩み・不満を言いづらい雰囲気

④指定整備における監査機能の不備
・監査の目的や内容への理解が不足し、帳票類の確認に留まるなど監査手法が不十分
・完成検査が正しくおこなわれたかを、第三者が確認する手段がないこと

⑤車検を正しくおこなうためのお客様への確認や説明の不足
・車種・年式等問わず、1台当りの作業時間が一律に固定され時間が目的化していたこと
・車からの荷物降ろし、ご来店時間等、お願いすべき事項が出来ていないこと

今回の問題を受け、販売店やトヨタ本社が改善すべき重要なポイントは?気になる続きは以下の次のページにてチェック!