日産の名車であり珍車「オーテック・ザガート・ステルヴィオAZ1」が中古市場に登場!その価格は日本円で約1,270万円…ステルヴィオの名付け親はスカイラインの生みの親

生産台数は僅か104台のみ、日産とイタリアの名門が手を組んだバブル期の珍車が登場!

2022年は日産のビッグマイナーチェンジ版・新型フェアレディZ(Nissan New Fairlady Z, Z34)をきっかけに、100%ピュアEV軽自動車のSAKURA(サクラ)、そして秋頃にはフルモデルチェンジ版・新型エクストレイル(New X-Trail)が発売予定となっていますが、今回はかなり珍しいバブル期に誕生した珍車をご紹介。

そのモデルとは、1990年代初頭に日産と子会社のオーテック、そしてイタリアの名門コーチビルダーであるザガートが共同開発を進めた世界限定104台のみ販売の「オーテック・ザガート・ステルヴィオAZ1(Nissan Autech Zagato Stelvio AZ1)」で、しかもこの個体が2021年12月中旬よりフランスの中古車市場LaCentraleにて販売されています。

その金額は日産GT-R R35が購入できる金額ですが、一体どのようなモデルなのか?早速チェックしていきましょう。


当時としてはかなり奇を衒うでデザインだったオーテック・ザガート・ステルヴィオAZ1

こちらが今回、フランスの中古車市場にて販売されている名車であり珍車でもある日産オーテック・ザガート・ステルヴィオAZ1。

何とも特徴的なフロントフード周りを持つ2ドアクーペ(ファストバック?)スタイルで、足もとのホイールは、”Z(Zagato)”のロゴ付きカバーで完全に覆われています。

このモデルは、前述にもある通り1990年代初頭のバブル絶頂期に企画・開発・販売された貴重な一台で、日産の子会社であるオーテックが、ザガートにわざわざ設計・製造を依頼。

ベースとなったモデルは日産レパード

ベースとなるモデルは、当時のインフィニティM30/日産レパード(LEOPARD)ではあるものの、パッと見ではレパードっぽい雰囲気は残しながらも、しかしその形状は独特で、ボディパネルはアルミ製で全てザガートお得意のハンドメイド。

フロントヘッドライトは水平基調で、フロント中央には逆”凹”状のコンパクトなグリルが設けられています。

そしてフロントボンネットはカーボンファイバ製にて仕上げられるなど、そのコストのかかり方は中々のものでした。

ステルヴィオの名を付けたのは、日産スカイラインの生みの親

サイドビューはこんな感じ

フロントフェンダー付近から何とも不思議な造形を持ち、トップルーフは少しフラット、そしてリヤハッチに向けて下っていくラインはファストバック風。

ちなみにこのモデルの名称にもなっている「ステルヴィオ」は、アルファロメオ・ステルヴィオ(Alfaromeo Stelvio)と同じイタリア・ステルビオ峠が由来となっていて、この名称を付けたのは、当時オーテックの社長を務めた桜井眞一郎 氏で、しかも彼は日産スカイラインの生みの親としても有名です。
※余談ですが、オーテックというネーミングは「大手を食う → オオテヲクウ → オーテック」というのが由来で、日産がオーテックブランドを拡大したいという想いから名づけられたと言われています

あまりにも独特な内蔵型のフロントフェンダーミラー

そしてこのモデルのユニークなポイントが、サイドミラーがフロントフェンダー内のこんもりした部分に設けられているということ(いわゆるフェンダーミラー)。

当時はドアミラーの認可もおりていたのですが、どうしてもこの位置にミラーを内蔵したかったのかもしれませんね。

デザイン一つ一つが何とも異質ではありますが、こうした自由な発想と独自のデザイン言語を持つのもザガートらしいところで、こうした考えに日産やオーテックは大きな刺激を受けたのではないかと思います。

この位置からだと更に「フェンダーミラー」が分かりやすいかもしれません。

ちなみにこのモデル、単一のNACAダクトがあるにもかかわらず、完全に覆われたホイールカバーもユニークですが、なぜこのようなデザインに仕上げたのかは不明。

内装はほぼ新車同様で、走行距離も約30年間で僅か900km

内装は非常に上質で、しかもフル本革シートというのも素晴らしいポイント(おまけに経年劣化がほとんどない)。

走行距離も僅か900kmと全く走られていないことから(30年以上が経過している)、おそらく転売目的にて購入されたのではないかと予想されます。

ちなみにパワートレインは、排気量3.0L VG30FET型V型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力280hpを発揮、トランスミッションは4速ZF、駆動方式は後輪駆動のみをラインナップ。

そして最も気になる中古車販売価格ですが、何と99,000ユーロ(日本円に換算して約1,270万円)と、GT-R R35が購入できるレベルとなっています。

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Reference:LaCentrale, CARSCOOPS