日経が三菱eKスペース/eKクロススペースと日産ルークスの生産一時停止に対して「衝突試験の基準値を満たしていない」と報道。なお3車種ともに衝突安全性能で最高クラスAを獲得しているが…

今回の報道で本当に問題があれば、3万台超えの大量リコールになる模様

さてさて、三菱と日産の共同開発モデルでお馴染みとなる後席スライドドアを採用した軽モデルのeKスペース(Mitsubishi eK Space)/eKクロススペース(eK Cross Space)/ルークス(Nissan Roox)ですが、実はこれらのモデルが2021年11月末あたりから出荷停止状態になっているとして、その原因について調査が進められいてるとのこと。

日本経済新聞の報道によると、上記3車種の衝突試験のデータが国の基準値を満足していないとの理由から、生産ならびに販売を停止しているそうです。

そして2021年12月9日時点では、未だ明確な問題は明らかになっておらず、三菱側は「安全部品は作動し、通常走行に問題はない」と話す一方、日産側は「試験のデータに問題があった。どこに原因があるのか調査している」とのことで、両社の認識に違いなどがあることから、少し調査が難航する恐れも高そう。


一概に今回報道された内容が全て正しいとは言い切れない

また日経新聞によると、「2021年11月末までに日産の従業員がエアバッグやシートベルトの衝突試験でデータに異常があるのを把握した。両社は原因が試験装置もしくは部品のどちらにあるのか検証を進めており、国に調査結果を報告する」とまとめていますが、この書き方で少し気になるのは「日産の従業員が~」というところ。

日経新聞がどこまで明確な取材・調査を進め、どこまで事実確認をとれているのかは不明ですが、「日産側が認識する衝突試験結果」と「三菱側が認識する衝突試験結果」に大きな差があるのも気になるところ。

ルークス/eKスペース/eKクロススペースは2021年9月にファイブスター賞を受賞している

もちろん、今回の衝突試験結果が”国が満足するデータ”にまで到達していないのであれば問題だとは思うものの、個人的に気になっているのは、2021年9月の国土交通省の公式プレスリリースより、eKスペース/eKクロススペース/ルークスの3車が、衝突安全評価で高評価をたたき出していて、おまけに最高評価のファイブスター賞を受賞しているということ。

以下が日産ルークスと三菱eKスペース/eKクロススペースの評価結果となりますが、ルークスに至っては最高ランクのAを獲得していることを考えると、本当に日経新聞の情報は正しいのだろうか?という疑問もあるため、まずは三菱と日産の両社の調査結果に加え、その後の国土交通省の公式プレスリリースの公開を待ちたいところです。

【日産ルークスの評価結果】・・・総合評価92%

◇衝突安全性能(Aランク)・・・86%(86.54点/100満点)

・コンパティビリティ対応ゾーンボディ(高強度キャビン+衝撃吸収ボディ)の実現

・7つのエアバッグシステムを搭載

◇予防安全性能(Aランク)・・・100%(82.00点/82点満点)

・対向車や先行車を検知して自動的に照射範囲を切り替えるヘッドライトシステム

・夜間の歩行者にも対応した衝突被害軽減ブレーキ

・障害物に加え、前進時は人や車両も検知するペダル踏み間違い時加速抑制装置

◇事故自動緊急通報装置(先進型)・・・100%(8点/8点満点)


【三菱eKスペース/eKクロススペースの評価結果】・・・総合評価88%

◇衝突安全性能(Aランク)・・・86%(86.54点/100満点)

・コンパティビリティ対応ゾーンボディ(高強度キャビン+衝撃吸収ボディ)の実現

・7つのエアバッグシステムを搭載

◇予防安全性能(Aランク)・・・100%(82.00点/82点満点)

・対向車や先行車を検知して自動的に照射範囲を切り替えるヘッドライトシステム

・夜間の歩行者にも対応した衝突被害軽減ブレーキ

・障害物に加え、前進時は人や車両も検知するペダル踏み間違い時加速抑制装置

◇事故自動緊急通報装置(装備なし)・・・ー%(ー点/8点満点)

日産/三菱に何かしら問題が起きたりすると、必ずSNSでは批判続出

なおこういった問題がニュース・メディアなどにて取り上げられると、SNSでの反応としては、案の定「また日産か」「三菱も日産と同じだからな」といったコメントが多いということ。

2021年8月にも、福岡県久留米市にて日産セレナe-PWOERが原因不明の発火・炎上した際も、なぜか「日産が悪い」「やっぱり日産はダメだな」といった日産叩きが集中。

出火元が全く明確になっていないにも関わらず、「日産だから」という理由で過剰に叩くのも問題ですし、なぜか先代C26型(久留米市にて燃えたモデルはC27型)の出火リスクに関するリコール情報を持ち込み、事実確認をせずにそのまま拡散するといった行為も見られました。

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先程の生産・出荷停止の原因についても同様ですが、日経新聞がこのように取り上げているから「100%正しい→三菱・日産が悪い」というわけではなく、まずは三菱・日産公式と国土交通省のプレスリリースを待ち、3車種の何れかを購入→納車待ちのユーザーの不安や疑問をしっかりと解消できるだけの準備・説明を待ちたいところです。

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Reference:日本経済新聞